殺人者が無罪になり、スターとしてのし上がって行こうという意欲は凄く、女は怖いと思いました。でも、それ以上にそれを利用する男やマスコミ、ショービジネスの世界の方がもっと怖いですね。歌と踊りは超一流でした。 アメリカの陪審員制度とは何とも不思議な制度ですね。弁護士の口先一つで、有罪が無罪になってしまう。法律より、人間の心証の方が大事。きっと、訴訟王国アメリカらしい制度なんでしょう。 ガーター姿は何ともセクシーですね。全裸より男に与える印象は強烈だと思います。そういう意味からもたっぷり楽しませてもらいました。 女性のグループによって衣装が替わっていることをどれだけの人が気がついているのでしょうか?監督としてはそれを十分に意識して作っているから、気がついてくれる人がいると、<してやったり>と思っていることでしょう。 デビューする為にはプロデューサーに身をまかさないと行けない。こんなことは実際にあるんですね?小説やドラマの世界のことと思っていましたが、「事実は小説より奇なり」と言います。現実世界の方が遙かに進んでいます。この映画も、ショービジネスに生き、スターになるためには<何でもする>という女性の物語です。女の武器を最大限に使う。スターになることで、そんな男達を見下してやる、だからなりふり構わず……。 アメリカの映画には<裁判>を扱ったものが結構あります。それに引き替え日本の映画はほとんど記憶にありません。日本の裁判は裁判長が、法律と判例を元に自分の考えの元に判決を出します。裁判長によって大きく変わることはありません。ある意味公平な裁判です。 でも、アメリカでは陪審員という主役が登場します。彼らの心証をよくすることが、裁判の正否を決めることですから、弁護士の活躍の場が出てきます。膨大な弁護士費用を出して、有能な弁護士が雇えるかどうかが鍵になります。お金がそこに介在するから、すでに不公平が生まれてきます。映画の弁護士はまさにそれでしたね。悲劇のヒロインにして、マスコミからお金を取る。インタビュー代や暴露本などをお金に換えるのは、現代の日本でもあり得ることです。お金がない人からでも、弁護士費用を出させる黄金の小槌です。 弁護士の話術、裁判戦術によって、黒のものが白になるから、映画の題材としては面白くて興味深いものです。<ドンデン返し>ほど、スカッとするものはないからね。弱い者(正義)が強い者(悪者)に最後に逆転で勝つのは映画の常とう手段です。
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