プラトーン

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  h18.4.22日(土)にオリバー・ストーンの「プラトーン」をDVDで見ました。ベトナム戦争を描いた問題作。アカデミー賞の4部門(作品、監督、編集、録音)を受賞した名作です。

 1986年の作品ですから、ベトナム戦争(1960年から1975年まで)が終わって10年後のことになります。

 ベトナム戦争は私が10歳から25歳までの間のことだから、青春の多感な時、いろいろな面で影響を受けました。各地で荒れた大学紛争の主要テーマは、ベトナム反戦でした。

 裕福な家庭に育ち、大学を中退し、ベトナムに志願してきたクリス(チャーリーシーン)。その理由は、ベトナムに派遣されるのが貧しい階層の若者ばかりであることに反撥をしての志願でした。

 でも、ベトナム戦争の最前線は、そんな甘い考えの通用する場所ではありませんでした。映画の題名となった(プラトーン)とは、最前線の戦闘小隊のことで、その過酷な体験を通して、彼が一人前の兵士になるまでを描いた作品です。

 戦争は、どれも悲惨で残酷なものです。そして、その描き方は多分に政治的なもので、自国の正しさをアピールするのが普通。

 それだけに、ベトナム戦争の実態をアメリカ側の悪も含めて赤裸々に描いた所に驚きがありました。ベトコンの村での民間人の虐殺は、アメリカ側としては隠しておきたいこと、それをリアルに描いています。そのことから、アメリカのすごさ、包容力の大きさを感じました。

 戦闘のシーンは迫力があり、地獄絵図を超リアルに描かれていたけど、それ以上に兵士達の人間的な感情がうまく描かれていました。どんな残虐なことでも、戦争という極限状態ではしてしまう。でも、しない人もいる。結局それは人間の心が決めること、そんなことを監督は言いたいのだったのかなと思いました。

 戦争だから、徹底して冷酷非情にやるというバーンズと戦争でも人間的な心を失ってはならないというエリアスの対立を描いていました。でも、これは自分の心の中にもある、二つの気持ち。そんなことから、クリス(チャーリーシーン)が最後に言った<戦争とは結局自分との戦いである>という言葉が重く感じられます。戦争を言い訳に残虐になる自分と、戦争でも自分を律していこうという自分。この自分の中の二人の人物の戦いであるわけです。

  ジョニーデップが出ていたようですが、全く気がつきませんでした(笑)。

 

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