シリアナ

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 <シリアナ>という映画を半田のコロナで見てきました。今年のアカデミー賞で、ジョージ・クルーニーが助演男優賞をとった作品です。

 とにかく難しい映画でした。いくつかのことが同時並行的に起こってそれが、最後の場面で集結をして行く。(24というテレビドラマと同じような……)

 そこまでは、なんの関連もないように思えます。それに、テンポが早いので、ちょっと油断をすると画面が変わってしまいます。油断のならない映画です(笑)。

 ジョージ・クルーニーは、体重を相当増やして肉がだぶついている、そんな老年のCIAを演じていました。いつもながら、ハリウッド俳優の役作りの凄さに感心します。ただ、彼が助演だとすると、誰が主演なの?と大いなる疑問がわきます。

 星は☆☆です。

 とにかく難しい。なんでも、元CIA局員が書いた、中東の産油国を巡る暴露本「CIAは何をしていた?」(米国でベストセラー)が下地の映画みたいで、その内容がよくわかる、アメリカでは大いに受けたでしょう。私は正直言って、よくわかりませんでした(笑)。

 また、「シリアナ」とは<イラン、イラク、シリアが一つの民族国家を形成した場合の想定国家の名前だそうです。ここは、イスラム教の国、そして世界で屈指の石油の産油国です。

 王家の権力争いに、石油の利権が絡んでCIAが活躍する。それにしても、スパイ映画さながらの陰謀、テロ、殺人、暗殺がCIAというアメリカの公的な機関がやっているのですから、凄い世界です。

 この映画はいわゆる暴露映画。今のアメリカ政府とかアメリカを牛耳っている石油会社に対する痛烈な批判です。

 何かで読んだんですが、クルーニーはメジャーな映画に出て、稼いだ大金をこのようなマイナーな映画につぎ込んでいると聞きました。その証拠に、彼がこの映画の製作総指揮となっています。

 アメリカではどうだったかしれませんが、私は金曜日の8時から見ましたが、お客さんは3人でした。あまり、観客動員の期待できる映画ではないのでしょう。この話を聞いてから、骨のある俳優だと感心しました。

 私が彼を最初に知ったのは、<ER>というアメリカの人気テレビ番組でした。そこで、小児科の先生をやっていたのですが、個性的でちょっとやんちゃな2枚目という魅力的な役所でした。その時のギャップも今回は面白かったです。

 

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