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 <駅>を借りてきて見ました。
1981年の作品で、日本アカデミー賞の作品賞をとった作品です。だいぶ以前に見たのですが、内容はほとんど記憶にありませんでした。でも、見るにつけだんだん思いだしてきました(笑)。あの時も感動したことを覚えていますが、今回も感動をさせてもらいました。

 直子、すず子、桐子という題がつくオブニバス映画みたいだけど、3つとも深い関連があります。北海道の警察官であり、射撃の名手でメキシコオリンピックの選手である、英治(高倉健)が関わった、その時の女性の名前でした。

 直子役のいしだあゆみ、あの頃はきれいでした。今は、ちょっとやせすぎで彼女の大ファンだった私としては残念です。余談ですが、彼女の「ブルーライト横浜」が好きです。けだるく、かったるい歌唱法が良いです。彼女は歌手からの転向ですが、芝居は実にうまいです。

 「たった一度の過ちが許せなかった」とあります。その詳細はわからないけど、きっと、メキシコオリンピックの射撃の選手だった警察官の英治が妻をかまってやらなかったことから、さびしさのための過ちだったのではと想像しています。

 別れる前、駅のホームで無邪気に子供と遊ぶ姿がいたいけです。そして、列車での別れ。彼女の泣き笑い、強がりを見せて、笑って敬礼をする姿「許して」と、身体全体で訴えていました。あの演技は実に素晴らしい。

 すず子役の烏丸せつこは、なぜか色っぽい。よく、男好きのする顔といわれますが、彼女はその典型。風吹ジュンもそうですね。頭がちょっと足りない、お兄ちゃん思いの妹を好演していました。

 桐子(倍賞千恵子)のやっている赤提灯。絵に描いたような居酒屋です(笑)。ちょっと小粋な女将さんがいて、オシャレな会話を楽しみながら飲む。そんな店の常連になって、浮いた話のひとつでも……。と思っていたけど、果たせぬまま、夢物語で終わりました(笑)。

 舟歌が流れていました。でも、健さんはしっかりしゃべっていた(笑)。高倉健はお酒は全く飲めないそうです。あのコップ酒、きっと水が入っていたのでしょう(笑)。

 ホステスは年末から、お正月にかけて自殺が多い。それは、男が家庭に帰って行くから。そんな話を桐子がしていました。彼女の身の上を暗示しています。

 指名手配の男、それも英治の恩人を射殺した男、それが愛する桐子の男であった。なんたる悲劇。

 どうしてあんな男を?「男と女ですから」と言う彼女の言葉が真理をついていました。

 もし、指名手配の男と遭遇しなければ警察官をやめて、桐子と所帯を持ったかもしれません。そんな設定だった気がします。でも、そうは行かなかった。どんなに深く愛し合っても、一度ほつれた糸は元には戻らないのでしょうか?

 ラストで、駅に桐子が見送りにきていることを願っていたのですが……。どうして、愛し合っているのに別れなければならないの?もっと二人とも素直になれないの?それが、男と女、人間ということかな?

 

 

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