Ray(レイ)

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22日(土)にビデオで見ました。アカデミー賞の主演男優賞をとった、フォックスをずっと見たいと思っていましたが、なかなか機会がなくて、ここまできてしまいました。本当は映画館で見たかったですが、家の32インチの液晶もなかなかの迫力です(笑)。

 正直言ってレイチャールズのことはほとんど知りません。黒人の偉大な歌手であることくらい。曲も映画の中で何曲が知っている曲がありましたが、彼が歌っていたとは知りませんでした。まあ、そんな何にも知識のない状態で見たので、何もかもが新鮮でした。

 ジェイミーフォックスは、この映画の前に「コラテラル」で見ました。トムクルーズ扮する殺し屋を乗せ、事件に巻き込まれるタクシーの運転手役でした。その軽妙な話術と演技力で、確実にトムをくっていたと私は思いました。あの演技を見ていたので、Rayでのアカデミー賞も納得をしていました。

 本当に今回のレイ役は「イタコ状態」ですね(笑)。びっこを引きながら歩くレイの姿が、今でも目に浮かびます。本物をほとんど知らない私は、彼の演じたレイの方が実物に見えるでしょう。

 6歳の時に失明をします。彼を独り立ちをさせるために母親が、人に頼らなくてもいいように厳しく育てます。彼女の演技力が光りました。気の強さの中に、子を思うやさしさがあり、さらに女性としての魅力も十分感じさせました。

 幼い弟を自分の不注意で死なせます。そのトラウマが彼の潜在意識に深く住み着き、彼の人生に大きな影響を与えます。

 栄光と共に彼が麻薬に溺れていく姿が悲惨です。愛する妻を悲しませ、離婚の危機さえ迎えます。それは、目が見えないという不安を紛らすためか?売れて有名になり、お金も一杯持つようになったことから、それを失う怖さか?弟を死なせたことへの罪の意識と死に対する不安か?薬によってハイになることが名曲の作曲につながるのか?

 自分の価値に対する評価が徹底しています。それは、お金の大切さと人にバカにされたくないという強い意気込みのため。そのために何度もはったりの芝居を打ちます。人を根本的に信用していないわけで、何度も人を信じて、痛い目にあってきたためでしょう。母親からの「人から施しを受けなくても生きられるように」との教えを守るために全力で生きます。

 音楽的な才能のおかげで有名になりお金持ちになったけど、浮気、麻薬、と決して褒められた人生ではなかったけど、晩年は弱者のために自分を活かすことができたのは幸せなことでした。

 

 

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