sayuri

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1210日(土)に「sayuri」を見てきました。封切り日ということで、2/3程度の入りでした。

 この映画、スピルバーグの総指揮の映画ということで朔太郎的には期待をしていきましたが、星☆☆☆ですね。

 原題は[The Memoirs of Geisha]とか。昔から「冨士山 芸者」と日本のイメージの代表のように言われています。外人がそのイメージ通り忠実に描くと、芸者のいる日本はあんな風に映るのでしょう。

 146分という長い映画でしたが、中だるみもなく最後まで楽しめました。

 ヒロインのさゆり<チャン・ツィイー>は、初々しい芸者をうまく演じていました。でも、少女役の子役の大後寿々花の目が良かった。演技力もあったし、さわやかな気分にさせてくれました。そして一番良かったのが、さゆりの敵役の芸者(初桃)を演じたコン・リーです。

 映画音楽で日本的な情緒を醸し出すために、太鼓、尺八、三味線などの和風の楽器をうまく使っていました。それから、和服の美しさを筆頭に映像がとてもきれいでした。和服を着こなす女性から見たらおかしな部分は一杯あるでしょうが私にはわかりませんでした(笑)。

 <ラストサムライ>や<パールハーバー>などで感じた「それはないだろ〜」という、感じは私は特に受けませんでした。もちろん、芸者が中国人で英語を話すということが違和感の最たるものだといえば言えますが(笑)。

 昭和30年代から40年代は、日本にとって不況、軍国主義、太平洋戦争、敗戦と激動の時代でした。そんな日本の貧困の象徴として、<身売り>という制度がありました。この主人公の千代(さゆり)も、貧しい漁村に生まれ口減らしのために京都の芸者の置屋に売られました。売られていくまでの暗くて悲しい状況を、オープニングでは迫力ある映像で見事に描いていました。<おしん>を思わせるような風景です。

 その千代が置屋の下女をやりながら、芸を磨き、苦労の末に一流の芸者(さゆり)になります。自分の置かれた状況をあきらめ、それを積極的に認めて一流の芸者になろうと決意したのは、ある人との出会いでした。その人に会いたいために、一流の芸者になることに精進をします。

 その最大の障害になったのが、コン・リーが演じた<初桃>です。先輩芸者であり、自分の地位を脅かす<さゆり>に激しく嫉妬しいじめの限りを尽くします。色っぽいだけでなく、ほんとうに憎たらしく感じさせる演技力はたいしたものです。

 

 

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