タクシードライバー

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 随分久しぶりに、「タクシードライバー」をビデオで見ました。その感想を、ネタばれに注意して書きました。

 この映画は1976年の作品、ロバート・デニーロが33歳の時です。アカデミーを始め、いろいろな賞にノミネートされたり、とったりしています。暴力シーンは迫力があり、その当時としては観客に大きなショックを与えたと思います。新しい時代の映画を予感させるような……。「俺たちに明日はない」とか「イージーライダー」や「ダイハード」「スピード」のように……。私は26歳の時で教員になって1年目、まったく余裕のない時、映画どころではありませんでした笑)。

 ベトナム帰りの若者の倦怠感がやるせないですね。タクシードライバーになった、トラビス(デニーロ)がタクシーに乗ってニューヨークの街を流す時の夜の大都会の景色と気だるく退廃的な雰囲気がよく出ていました。冒頭のデニーロのナレーションとBGMがそれに拍車をかけていました。

 デニーロは若いですね、画面から精悍さがにじみでていました。彼の姿から、ブルースリーや松田優作がぱっと浮かびました(笑)。

 自分の存在感と、自分なりの正義感を示す方法を暴力という形でしか表現できない、若者のやりきれなさ。ベトナムから無事帰還しても、自分のいる場所がないのですから、たまったものではありません。だれのために、なんのために戦って来たのかと思わずにはいられないでしょう。アメリカの病巣です。

 ちょっと変わっているというか、ずれているトラビス。普通の人と違って見える?それは我々の方が変わっているのかも知れません。

 決して古さを感じさせない映像、予想外の展開、暴力シーンの過激さ。若き日のロバート・デニーロ、12歳のジョディフォスター。この二人を見るだけでも価値はあります。

 

 

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