シッピングニュース
クオイル(ケヴィン・スペイシー)は、少年期のトラウマから生きる自信をなくし、劣等感を抱えてまま成長をします。新聞社のインク係として働いていましたが、いろいろなものに消極的でした。
ある日、ペタル(ケイト・ブランシェット)と衝撃的に出会い、結婚をします。でも、彼女は結婚には向かない女性、男出入りが絶えず、あげくは娘を連れて家出。さらに、娘を売り飛ばし、逃げた男と交通事故で死にます。
そんな時に、彼の父親が死に、父親の妹であるアグニス(ジュディ・デンチ)が彼の元に訪ねてきます。このどうしようもない状況を打破するために、彼女は3人で、父親の故郷(ニューファンドランド島)へ行くことを薦めます。でも、そこは5月でも雪があるような、厳しい自然が支配する場所でした。
クオイルは地元の新聞社に職を得て、シッピング・ニュース(港湾ニュース)を担当することになります。また、託児所を営む若き未亡人ウェイヴィ(ジュリアン・ムーア)らとの出会いの中でだんだんと劣等感を克服をし、自信を取り戻して行く物語です。
ケビン・スペイシーは実にうまいですね。ちょっと頭が悪そうで、頼りないが人だけは良い中年男をやらせたら彼の右にでるものがいません。
この映画では、生きる自信がつくと同時に、だんだんと、顔つきや行動が変わって行く、そんな変化を実にうまく演じていました。
ケイト・ブランシェットの悪女ぶりは見事です。あんな悪女にかかったら、普通の男(私を含めて)はひとたまりもありません。悪女だけど、あんな悪女ならつき合ってみたいという気にさせます。そんな魅力的な悪女です。
この映画は、大人の映画です。監督は「サイダーハウスルール」「ショコラ」のラッセ・ハルストレム、さすがです。彼の作品はどれもすばらしく、独特の雰囲気を持っています。
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