ドリームガールズ

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ドリームガールズ h19.2.24

 とにかく、凄いの一言。圧倒的なリズム感、歌唱力に度肝を抜かれた。改めて、黒人の音楽的な才能のすごさを感じた。最近にない、ミュージカルの大傑作であると思う。

 私的には、良いミュージカルの3つの条件とは
@ 単純でわかりやすいストーリー
A ハッピーエンド
B 歌と踊りがいいこと。
この映画は3つの条件を全て完璧に満たしていた。

 この映画は、1962年デトロイトを舞台に、その頃大活躍していた、<シュープリームス>をモデルにしたものです。

 助演女優賞に輝いたジェニファー・ハドソン、驚異の新人との歌い文句だけど、まさしく驚異的ですね(笑)。菊池凛子の最大のライバルと言われていましたが、彼女であれば仕方がない、納得です(笑)。その圧倒的な歌唱力とリズム感は天性のものです。

 ドリームガールズは3人娘。日本で言えば、キャンデーズですね(笑)。やはり、売れるためには真ん中の女性の魅力が大きい。その目を持っていたのですから、カーティス(ジェイミー・フォックス)の能力は大したものです。でも、自分の方が歌唱力が断然上だと思っているエフィ(ジェニファー・ハドソン)には、あまりにも残酷。ましてや、カーティスに愛されていると思っていたのですから自分を抑えて仲間のために犠牲になるそんな気持ちになれなかったのでしょう。

 このことは、芸能界、ショービジネスの世界の残酷さと厳しさの象徴で、芸能界の華やかさに隠れた闇の部分です。

 カーティスはやり手のマネージャーで、売り出すためには、手段を選ばない。最初は、彼女達や仲間のためだったのが、いつしか自分のためになっていく。

 エフィと別れた後に、メインで歌うディーナ(ビヨンセ)と結婚する。だんだんど、彼女を自分の思い通りに縛り付けていきます。そしていつしか、心(ソウル)を忘れていき、どんな歌でも売れれば良いとの考え方になって行きます。地位とお金を得るにしたがって、心と友達をなくして行くそんな彼の姿が印象的でした。そのことを彼女が出ていくことで初めて理解します。

 この映画、エフィが主役と言っても過言ではありません。彼女の栄光と挫折、そして復帰は劇的で感動的でした。ラストのドリームガールズの解散コンサートで、彼女が4人目として紹介されるシーンはそうなるとわかっていても、感動的で涙があふれてきました。彼女は、きっとソロとして良い歌手に成長をして行くことを予感させます。

 ディーナ(ビヨンセ)は3人の中心に抜擢された時から、だんだんと綺麗に変身していく、その変化に驚き、女は魔物だと思いました(笑)。とにかく、綺麗で魅力的になり、同一人物とはとても思いません。

 彼女も歌を愛し、自分らしさを大切にしていましたが、それがなくなるとわかった時、カーティスから離れ、解散を決意します。栄光にあぐらをかかない、真摯な気持ちが好感を与えます。そして、誤解していたエフィとの和解も感動をさせてくれました。

 エディマーフィ(ジミー役)が女たらしの歌手の役で出ていた。彼の歌は初めて聞いたが、実にうまい。彼はちょっとふざけたコメディタッチの映画しか見ていないので、
意外な感じを受けたが、うまく演じていた。さすが、助演男優賞にノミネートされるわけである。スターであった彼が、だんだんと売れなくなって行き、いつしか薬に頼る姿が痛々しかったです。
 

 

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