椿三十郎 h19.1.11
山本周五郎原作の『日々平安』がベースになっている。
ある藩の若手侍が次席家老の不正を糾弾するために、立ち上がるが、逆に城代家老を人質にとられ、窮地に立たされる。それをひょんなことから加勢をする椿三十郎。
椿三十郎の名前の由来は、この映画の中で、城代家老の奥方から名前を聞かれ,とっさに椿が好きな三十男ということでこの名前がついた。
白黒のハンディを感じさせない、実に面白い映画でした。黒澤映画はストーリーが面白く、テンポが良く、音楽が良いのは共通しています。仲代達也とのラストでの決闘シーンにおける驚くべき量の血しぶきはあまりにも有名で、映画そのものは初めてですが、このシーンだけは何度もテレビで見ていました。
<真夜中の森の中。朽ちた社殿に人目を避けるように若侍たちが集まり密談をしている。>この最初のシーンから、強く引きつけるものがある。このシーンで、お家騒動の概要、敵と味方をわからせてしまう凄さ。
加山雄三と田中邦衛の競演、後の若大将シリーズに発展していきます。小林圭樹の役所が実に面白い。映画の中に笑いも忘れていない。奥方の徹底をした人の良さ、それに照れる椿三十郎。
椿三十郎は「抜き身の刀」でギラギラしている。本当の名刀はさやに入っているという言葉が印象的であった。
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