リプリー

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リプリー h18.10.22

貧しい青年があることがきっかけで、金持ちの青年になりすまし、優雅な生活を夢見る。
そのために、殺人を繰り返す物語。

一つのうそをごまかすために、もう一つのうそを重ねていく。そんなその場しのぎの生き方。それによって、リプリーは大事なものを失っていきます。果たして、そんなことから得た金持ちの暮らしに彼は、心の安らぎを得たのでしょうか?

殺人、そして、ディッキーへのなりすましを隠すために、その場その場の危機を、どう切り抜けて行くか?それがこの映画の見所です。彼は運も手伝って、何とか切り抜けていきますが、でも、最後には絶体絶命のピッチ、これを彼は切り抜けることができるのでしょうか?

サスペンス映画としては、面白いものになっています。はらはらドキドキの繰り返しで、どうなるかの先が見えません。

主人公のリプリーにマット・デイモン
貧しくてダサイ青年を演じるために、歯をいじっていたり、めがねをかけていました。その彼がだんだんと都会的に磨かれた青年に変身をしていきます。最初の純真な気持ちを捨て、したたかに計算高い男に変わりながら…。

ディッキー(ジュー・ロウ)は金持ちの道楽息子。
働くことのない自由人。趣味のジャズとかヨットとか女で遊び暮らす。そんな、金持ちの坊ちゃんの人の良さ、品の良さ、そして飽きっぽくて冷淡な性格の役をうまく演じていました。

彼は、本当にきれいです。この映画は、ジュードロウの美しさが最高に輝いていた映画で、彼のための映画だといっても過言ではないと思います。確か、彼のデビュー作?または、彼が世に認められた作品ではなかったでしょうか?


ディッキーの恋人である、作家の卵のマージ(グウィネス・パルトロウ)は、場面場面、見るときによって印象が変わってくる。ある時は、美人で清楚、でも、ある時は……。残念ながら、私の好みではありません。それを、「大いなる遺産」を見たときに感じました。


 ディッキーの旧友フレディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は毒のある言い回し、癖のある役柄で、ホフマンは、軽薄だけど、深みのある男の味を出していました。

 名家の令嬢メレディス(ケイト・ブランシェット)はシッピングニュースの時の悪女の強烈なイメージがあり、そのあまりの違いにびっくり。レトロな服装と顔立ちが何も知らない金持ちのお嬢さん役にぴったしあっていました。


 <内装が悪趣味>、これがディッキーになりすましているのがばれるきっかけとなったことです。サインや写真はごまかせても、趣味までは変えられないものです。

 アランドロンの<太陽がいっぱい>との違いは、ドロンが徹底的な悪人であったのに対して、今回は人の良い青年が偶然による犯罪。そんな違いがありました。どちらが原作に忠実なのか?もう一度、太陽がいっぱいを見てみたくなりました。

 そして、最後の大どんでん返しも…。
 

 

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