ホリデイ

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ホリデイ h19.4.28 半田コロナ

 遅ればせながら、ホリデイを見てきました。
大人の恋愛のドキドキワクワク感だけでなく、人情味溢れる場面が多く気持ちの良い涙を流しました。ものすごく良かったです。で、私的には☆は4つです。

 クリスマスの時に見たい映画が、もう一つ増えました(笑)。4人の主演級のスターをそろえたのですから、面白くないわけがありませんが、それを、恋愛適齢期の監督(ナンシー・マイヤーズ)がさらに、素敵なラブストーリーに仕上げてくれました。

 恋とは出会いである。環境が変わることで新しい出会いがあり、そこから恋も生まれる。それを実証してくれた映画でした。

 恋のために心に大きな傷をもった二人の女性、アマンダ(キャメロン・ディアス)とアイリス(ケイト・ウィンスレット)がその傷をいやすために家の交換をクリスマス休暇の2週間だけして、そこで、新しい恋人(ジュード・ロウ、ジャック・ブラック)と出会い恋をする物語でした。


 アマンダはロサンジェルスで映画のCMを作る会社のオーナー。プール付きのリッチな家で恋人と同棲をしていた。でも、その恋人が若い女と浮気したことから破局し、
心に大きな傷を持つ。

 アイリスは、ロンドンの雑誌社の編集者。5年も同じ会社の男に片思いし、その男に都合良く使われてきた。それを知っていても忘れられない。そのあげくにその男が、自分に黙って婚約をしてしまうことから、それを忘れるために、旅に出たいと思う。

 このそれぞれに傷をもった女性が、クリスマスホリデイを過ごすための場所を探していて偶然ネットで知りあう。二人の条件は、少しでも遠くで、誰も知らない土地に行くこと。

 ここまでの経過はやや単調……。それぞれの家に、期待をして行くが、そのあまりの違いに驚く。それは「王子と乞食」の世界。(もちろん、アイリスもキャリアだから乞食ではないけどこの二人の環境の違いは、現代版の王子と乞食である)そこへ、アイリスの兄のジュード・ローの登場、一気に盛り上がる。

 キャメロン・ディアスが久しぶりに可愛い女性に見えました(笑)。今では可愛い、セクシーを卒業して演技派へと脱皮をしているけど、やはり彼女の原点は<メリーに首ったけ>のような可愛くセクシーな女性役で、今回は、恋をしている時の初々しさがよくでていました。

 恋にゆれるおんな心、2週間で別れるのだからと深く関わってはいけないと思う。
でも、それと裏腹に恋しさは募っていくばかり、それが恋です(笑)。

 ロンドンに来てあまりの退屈さに帰ろうと思っていた矢先に酔ったジュード・ロウが現れる。その、最初の出会いとキスシーンは良かった(笑)。二人のくちびるの動きに注目をしていました。まぶたへのキスが良かった、うっとりですね(笑)。やはり、キスのうまい男はもてる。

 最初はイケメンだから惚れるが、次第に誠実さにひかれる。それは、元彼とは真逆であったから。彼の家に意を決して訪ねるネルとと、2年前に妻と死別し、今は二人の可愛い娘と同居していることがわかる。

 アマンダは15の時に両親が離婚してそれ以来涙がでない。ラストシーンで、彼との別れが辛くてタクシーの中で泣く。そこで涙が溢れてくる、このシーンは素敵ですね。
これは、彼女の人生の再生の物語でもある。

 特にジュードローが素敵で、男でも恋をしてしまいます。ロード・トゥ・パーディションの暗殺者のイメージが強く残っていたが、それを払拭して、リプリーの頃のさわやかでやさしく魅力的な、2枚目な彼が蘇った。

 一方アイリスは、隣り近所の人とのつながりを求めます。特に、オスカーまで取ったけど、今は老いて隠遁生活をしている脚本家との出会いが恋愛だけでない、深い味わいをこの映画に与えてくれました。彼を歩けるように、そして自信をつけるためのリハビリは、自分の心のリハビリになっていたわけです。
 
 ジャック・ブラックはアマンダの元彼の友達の映画音楽の作曲家として登場します。
二人の出会いの時に、エンニオ・モリコーネの「ニューシネマパラダイス」の曲が静かに流れていました。

 また、二人してレンタルショップに行き、ジャックが自分の好きなDVDを紹介するのに、その映画音楽を歌ってするというシーンがありました。その中で、「卒業」のテーマを歌っていると、ダスティンオフマンがその店にいて、「ばれてしまったかな?」と言います(笑)。こんなことも粋な映画に一役買っています。

 彼は、本来、明るく陽気で場を盛り上げる才能を持っています。でも、今回はいつものような浮ついたものではなくて、落ち着いた雰囲気を感じさせてくれました。
そして、最後には二人がそれぞれに一番大切な人とわかるわけです。
 

 

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