寝ずの番

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寝ずの番 h19.4

 <寝ずの番>は中島らもの原作を映画化したもので、津川雅彦がマキノ雅彦と名乗っての第一作監督作品です。彼らしい粋な作品に仕上がっています。

 私はDVDを見た後、すぐに図書館でこの本を借りてきて読んだのですが、内容は90%がた原作どおりでした。原作に忠実に描いたのは、原作がそれだけで十分面白かったからでしょう。

 上方落語の重鎮、笑満亭橋鶴(長門裕之)とその一門の一番弟子(笹野高史)、さらに橋鶴の女将さん(富司純子)が相次いでなくなります。

 そのお通夜の時に、色々な思い出話をするという物語を弟子(中井貴一)の目を通して描いています。

 もう導入から引きつけて離しません。どうしてそんな発想ができるのか?唖然です(笑)。

 私はこの<寝ずの番>という題名から、サムライがお殿様の警護ために部屋の外で、寝ずに番をすることだと勝手に解釈していました。そして、大人の色っぽい映画だと聞いたので、お殿様と側室との濡れ場のシーンでもあるのかと思っていました。

 想像とは全く違っていましたが、やはり相当Hな映画なので、女性にはどうかな?と思います(笑)。橋鶴師匠の女将さんは、芸者だったので、そこで歌われる、<春歌>が一杯でて来ます。それも、相当どぎつい。でも、それは嫌な感じではなくて、「にた〜〜と、一人ニンマリする笑い」でユーモアと明るさがあります。

 その中で、橋鶴師匠がライバルの鉄工所の社長(堺正章)に勝って女将さんを手に入れた時の歌があります。

 ♪♪ おれの心は トタンの屋根よ
     かわらないのを 見てほしい ♪♪

 

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