オリバー・ツイスト h19.5.18
『戦場のピアニスト』のロマン・ポランスキー監督の作品です。
ディケンズの本は、「クリスマスキャロル」しか読んでいない。映画では「大いなる遺産」を見たが……。
この映画が彼の作品とは知らずに見た。19世紀という暗い時代に一点の明るさを描いた作品である。
善良なオリバーは、最後までそれを曲げず貫き通したことが凄い。善良ゆえに、人からいわれたことは、その人に報いるためならやるのが当然と思っている。例えそれが悪であっても……。そして苦難の末、最後は報われる。このラストこそ、ディケンズらしいのでは……。この最後の救い<善良に生きるものは必ず報われる。>このことこそ、彼の文学の根本精神では?「クリスマスキャロル」の一作で、ディケンズの全てを推し量ることはおかしいとは重々承知であるが……(笑)。
19世紀のイギリスの雰囲気が良く出ていた。孤児で10才のオリバーツイストが、その善良さと正直ゆえに、孤児院を追い出される。その後、葬儀屋に引き取られるが、そこでも同じようなことがあり、いづらくなった彼は、そこを逃げ出しロンドンへ歩いていく。飲まず食わずの果てに疲れきった姿でロンドンへ。
そこで、スリの少年に拾われ、その胴元であるフェルギン(ベン・キングスレー)の所につれて行かれる。彼は手下の少年を何人も使って、泥棒をして暮らしている。そして、いつしかオリバーもその恩に報いるために、スリをするが、捕まってしまう。そこは善良な金持ちに救われるが……。やっと平穏で正直な生活が始まったかと思ったらいつしか、そこにも悪の手が…。
|