プレステージ

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 プレステージ h19.6.10  半田コロナ

 同じ師匠を持つ、若きマジシャンの熾烈なライバル争いと復讐の物語。「メメント」の監督、クリストファー・ノーランの作品で、その予想もつかない展開と結末は、この作品にも活かされていました。

 予想のつかない展開
そして驚くべきラストで度肝を抜かれました。映画の冒頭で『結末は誰にもいわないでください』とのコメントがあったのもうなづけます。この結末こそマジックそのものです。

 同じようなコメントは<シックスセンス>でもあったが、シックスセンスをDVDでもう一度見た時は、最初とは違った世界が見えたけど、この作品もきっとそうだと思う。

私的には、☆は3つです。その理由は、この映画でマジックの種明かしを期待していたがさほどではなかったからです。もっとも、映画の中で、<人はマジックの種を聞きたがるが知ると去っていく>とあるが、それもそうなので知らないのが一番なのかもしれません(笑)。

華やかなパフォーマンスが得意のアンジャー、地味だけどアイデアにすぐれたボーデン。この二人のライバルマジシャンは同じ師匠のもとで励んでいた。よきライバルであったが、ある日、アンジャーは師匠の助手である愛する妻が手品中の水槽でおぼれ死んだ原因が、ボーデンの結んだ縄の結び方にあったと思いこみ復讐を誓う。その華やかなマジックの世界に潜む陰湿な足の引っ張り合いは、目を覆いたくなる。
良きライバルではない、悪しきライバルの典型である。

マジックには3つの段階がある。1確認(種も仕掛けもないことを観客に確認させること)2展開(その何もないところから奇跡を起こす)3プレステージ(奇跡をよりすばらしい形で演出して、観客を驚かせる)この映画の題名は、このプレステージからきたものと思われる。結末はまさに、プレステージ(驚き)である。

 二人の男を虜にする、スカーレット・ヨハンソンが特に良かった。ちょっと頭が足りないような印象を与え、男心をくすぐる色気は、マリリンモンローを思いだした。彼女の古風な顔立ちがこの映画によく似合っていた。
 

 

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