スタンドアップ h18.12.1
シャーリーズ・セロンが汚れ役をやったということで注目の映画です。私が初めて彼女を見たのは、<サイダーハウスルール>で、とてもとてもきれいな女性でした。
その後の<バガー・ヴァンスの伝説>を見て、彼女は<上品なお嬢様>というイメージができました。それを今回はがらっと変えています。
女優はいつまでも若いわけではないから、年と共に演技の幅を広げていくことが必要で、きれいなだけの女優からのイメージチェンジが必要です。いろいろな女優がそれに挑戦しているけど、彼女はそのチェンジがうまく行ったと思います。
20年前に鉱山で起こった実際のセクハラの集団訴訟。裁判の結審にはそれから10年かかったそうです。
鉱山は、男の職場で女がそこへ入ってくることは自分たちの職を奪うことになる。だからそれをものすごく嫌っています。それに対する反感があるとしても、それにしても、セクハラが凄い。汚い言葉や落書き、そして暴力へとエスカレートして行き、見ていて気持ちが悪くなるくらいです。
20年前と言えば、セクハラという言葉が日本に伝わってきた頃、なんのこと?と思っていたが、その頃アメリカではこんな凄い現実があったわけです。
我慢に我慢を重ね、暴力夫と別れ、2人の子どもを連れて故郷の北ミネソタの実家に戻ったジョージー・エイムズ(シャーリーズ・セロン)。
親の助けを借りずに、自分の力で二人の子供と一緒に暮らすために、選んだ仕事が鉱山で働くこと。それは奇しくも父親と同じ職場でした。
若い頃からの娘の行状の悪さにすっかり娘嫌いになり、完全に見捨てている父親は大反対。それを押し切って鉱山で働くのは収入が男と同じだけもらえるから。
でも、鉱山で働く男たちは、自分たちの職場は男のもの、そこへ女が進出するのは、自分たちの職を失うという危機感があった。だから、ものすごい反撥があり、それが嫌がらせとなって女性社員に向けられます。
女性の従業員への汚い言葉(セックス関係の)や落書き、暴力へとエスカレートしていきます。
それに耐えに耐えた彼女も、ついに我慢の限界を迎え友人の弁護士の力を借りて、セクハラの集団訴訟に踏み込みます。
最初は会社や男性従業員の圧力に屈していた女性達も立ち上がります。そのきっかけとなるのが、父親の理解と協力でした。このドラマはセクハラと闘う女性を描いただけでなく、それを通して、父と娘の心の解放のドラマでもあります。
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