あうん h19.10.9 DVD
素晴らしい映画で、朔的には☆4つで大推薦です。
日本の映画だからこそ、これほどの感動を与えてくれるのでしょう。
昭和12年から太平洋戦争に日本が突入をして行く暗い時代。
そんな暗い時代でも温かい人間の生活があったことを知らせてくれました。
どんな時代でも、人間は生き、そこにはささやかな幸せがあります。
そして、その幸せを壊すものとして、
人の力ではあがなうことができない戦争があります。
水田一家(夫、板東英二、妻、富司純子、娘、富田靖子 )と
門倉(高倉健)との関わりを描いた、
向田邦子の原作で、降旗康男監督の作品。
水田と門倉は陸軍で知り合った戦友であり、
気のあった二人はその後親友として
家族ぐるみのつき合いをしています。
水田と門倉はいわゆる<あうんの仲>、
そして門倉は水田の妻に、秘かな好意をよせている。
それはお互いに知っているけど、誰も口には出さない
3人の暗黙の了解であった。
門倉は親友のためだと思えば自分が悪者になる。
それは親友の妻を悲しませたくないから。
親友とのかたい絆と友情、
そして彼の妻へのプラトニックラブ。
決して口に出してはいけないこと、
実ることのない恋への喜びと苦悩。
そんな門倉を高倉健がうまく演じていました。
あうんとは、ネットから抜粋します。
あうんの呼吸とは、二人以上で何かひとつのことをする時、
微妙なタイミングも多くを語らずピタリと決まること、
気持ちが一致している関係を「あうんの呼吸」と表現する。
あうんは「阿吽」と書く。
インド古語のサンスクリット語の「a」と「hum」の音に漢字を当てたもので、
口を開いて出す音(開声)と閉じて出す音(合声)の組み合わせにより、
呼気と吸気という意味も持つ。
神社の狛犬・獅子や寺の仁王像のコンビは、
一方は口を開けた阿(像)で、もう一方は口を閉じた吽(像)となっている。
これは阿と吽で万物の始まりから終わりまでを象徴したもの。
つまり「あうんの呼吸」と言えば、
最初から最後まで全てにおいて呼吸の合う、
心の通じ合った関係というわけである
富司純子がすばらしいです。
輝くようにきれいだし、
ゆれる大人の女心を豊かな表情で見せてくれました。
高倉健も、男の切なさがよく伝わって来ました。
好きなのに、好きとは言えない、言ってはいけない門倉の心境を思うと
本当に切ないです。
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