オリオン座からの招待状

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オリオン座からの招待状 h19.11.10 半田コロナ

オリオン座からの招待状を見てきました。
見ている時よりも、見終わった後に良さが伝わってくる映画でした。
宮沢りえが清楚ですがすがしくて良かった。
良い女優になりましたね。
そして、加瀬亮、宇崎竜童もうまい。

ニューシネマパラダイスの日本版といった映画です。

昭和25年に京都にできた映画館<オリオン座>の物語。
この物語の始まりである、昭和32年は私が小学校の1年生の時、
<三丁目の夕日>と同じ頃です。

その頃はまだ家庭にテレビはなく、娯楽の花形として
映画は大盛況でした。
私の家も貧しかったけど、
それでも両親に連れられて時々映画を見に行ったし、
子供達だけで連れだって映画館に行っていました。
その頃は子供料金が50円だったと思うが、
3本立て(赤銅鈴之介とか月光仮面などを)の映画を見た記憶があります。
この映画の中でも、大人料金75円、子供料金35円と
表示があったから、私の記憶は間違ってはいない気がします。

昭和32年は戦後の復興が順調に進んでいたにしても、
日本はまだまだ貧しい時代。
京都の<オリオン座>に一人の青年が、映画館で雇ってほしいと来る。
彼は孤児で、行く場所も食べるものもなかったが、
映画がものすごく好きだったので、映画館で働きたいと強く願っていた。
館主の松蔵(宇崎竜童)の許可を得て、
この映画館で働くことになった留吉(加瀬亮)は
真面目に働き、努力して松蔵の信頼を得ていく。

この映画館の館主夫婦は仲の良い夫婦であったが、
ヘビースモーカーの館主はやがて肺ガンで死ぬ。
妻トヨ(宮沢りえ)は、突然の夫の死に愕然とし、
映画館を閉めようと決意するが、留吉の気持ちを知り、
続けていくことを決意する。

時は、テレビが家庭に普及しだし、映画はだんだんと斜陽産業となり、
オリオン座にも客が入らないようになる。
また、夫婦でない男女が同じ屋根の下で暮らすことから
悪い評判がたち、それも影響をしてさらに客足が遠のく。
でも、そんなオリオン座を必死で守っていく二人。

この時代、斜陽の映画館がとるべき道は、
廃業か、それともピンク映画館に衣替えするかである。
でも、オリオン座は子ども達に良い映画を見せたいという
立場を貫き、ピンク映画を上映はしなかった。

この映画館に近所の幼馴染みの少年と少女が通っていた。
二人の家庭は崩壊をしていて、彼らの行く場所は映画館しかなかった。
そして、トヨと留吉も彼らを子供のように思っていました。

この二人は愛を育み、やがて、東京にでて夫婦になるが、
理由はわからないが、今は心が通わなくなり、
別居し離婚を考えています。

そんな時に、オリオン座が閉館することになり、
最後の映画の上映ということで、二人に招待状が来ます。

映画好きな私達にとって
映画館を扱った映画は、特別な感情が湧くもので、
ニューシネマパラダイスがその代表作です。
この作品もそれに近いものを期待したのですが、
ちょっと物足りない部分があって残念な作品でした。

原作は浅田次郎だから、もっと面白いのかも知れませんが、
映画には、物語に深みとは広がりが感じられなかったのが残念です。

幼馴染みの子ども達を絡ませて来たけど、
子役があまりうまくなく、しらけてしまいました。
映画館を守っていく二人と、それに関わっていく人々との絡みが
もっともっとほしかった。

恩人である夫婦、その旦那が死んで
その代わりに、自分が映画館を守っていく。
二人がどんなに清くても、それを見る世間の風は冷たい。
二人が初めて関係を結ぶ時は、蛍と蚊帳のシーンで象徴をしていたが、
関係はおそらくその時だけで、籍も入れていない。
あんなに良い女なのに、そしてお互いの気持ちがわかっているだけに、
それをぐっと我慢をする留吉の気持ちは辛い。

映画の半分くらいから、画面の半分くらいがピントが合わなくて
ピンぼけになった。
映画館の方でもそれに気がついて必死で調整をしていたが
(やりとりが微かに聞こえた)
結局最後まで調整がうまく行かなかった。
そんなこともあって、映画に集中ができなかったが、
それを度外視しても、私的には☆は3つが精いっぱいかな?

このピンぼけを映画館側はどんな対応をするのか?
そんなことを映画を見ながら考えていた、
場合によっては、文句の一つも言わなければと思っていたけど、
劇場を出た所で、係の人がお詫びと
招待券を2枚くれたので、すっかり気分は直りました(笑)。
現金なものです。
 

 

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