しゃべれども しゃべれども

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しゃべれども しゃべれども h19.12.10 dvd

人とうまくつき合えないのは会話や話が下手なためだ、
だからそれを直せば人とうまくつきあっていけ、社交的になれる。
これは私の若い頃の考え方でした。

そのために、この映画のように落語こそ習いはしませんでしたが、
話術に関する本は手当たりしだいに読んだ記憶があります。
でも、残念ながらどんなに、本から話術のテクニックを学んでも、
人付き合いはうまくなりませんでした。

それは、自分の心を積極的にすること、前向きにすることが
できなかったからです。
そのことの重要さに気づきました。
この映画は、そんなようなことをテーマにしています。

うだつの上がらない二つ目の落語家、
今昔亭三つ葉(国分太一)がひょんなことから、
話し方教室を開くことになる。
しかしこの教室に通ってくるのは、美人だが愛想がない十川五月と
関西弁が原因で、転校してきた学校になじめないで
いじめに合っている小学生の村林、
元野球選手で、うまくしゃべらないのが悩みの
野球解説者である湯河原の3人でした。

この3人に三つ葉は、落語<まんじゅうこわい>を教えます。
そして、いろいろな困難を乗り越えて、落語会を開くことになります。

国分太一のさわやかさが良いですね。
落語という古典芸能を通して、人間の心のふれあい、
特に、美人だが愛想の悪い十川五月と三つ葉との恋を中心に描いています。

うだつの上がらなかった三つ葉が、
人間が変わったように演じた
落語<火炎太鼓>は見事です。

師匠のまねではなく、自分のオリジナルとなる<火炎太鼓>を作ること。
その意味が、人にものを教える事でわかるわけです。

芸人は一生懸命やれば良いというものではなく、
客に楽しんでもらい、、笑ってもらう必要があります。
そのためには、客の気持ちになれること、
それが、恋をして人の気持ちがわかるようになることから
わかるようになります。

関西弁の小学生役の森永悠希は実にうまい、
将来が楽しみな、天才子役です(笑)。

また、監督はあの名作『愛を乞うひと』の平山秀幸です。
涙を笑いに変えての名演出、さすがですね。
なお、この『愛を乞うひと』での原田美枝子の名演技は必見です。
まだの方はぜひ見てください。

朔的にはこの映画☆は3つ半で、
落語ファンの方にはお薦めです。
 

 

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