椿三十郎 h19.12.5 安城コロナ
椿三十郎を見てきました。
期待通りなかなか良かったです。
脚本が良いので、その脚本通りやれば面白い映画ができます。
今回は黒澤のリメーク版ということで、
黒澤作品を強く意識していて、
作り方も雰囲気もほとんど同じでしたが、
それでも十分に見応えがありました。
脚本が同じで、黒澤作品の雰囲気を変えない映画作りのため
一番大きな違いは主人公である椿三十郎を演じた、
三船敏郎と織田裕二であると思います。
主人公(椿三十郎)がギラギラした素浪人ということを考えると
その風貌から三船に軍配が上がるでしょう。貫禄が違います(笑)。
それにひきかえ織田はあくまでもさわやかで、
ひげ面でボサボサ頭の素浪人は似合いません。
笑顔がさわやか過ぎます(笑)。
ただ、これは人による評価の違いで、初めて椿三十郎を見た若い人は
織田三十郎で自然に入っていけるかも知れません。
直前に黒澤の椿三十郎を見たのではないから、
二つの映画の差ははっきりと言えませんが
ラストのシーンは少し違っていた気がしました。
一番の目玉である血しぶきシーンがありませんでした。
配役で目を引いたのは、木村役の佐々木蔵之介です。
黒澤の椿三十郎では、小林桂樹の役で、
この映画の元々の原作である「日々平安」で、
企画された時には、主役に予定されていた人物で、
映画の中では笑いをとる重要な役柄です。
佐々木蔵之介は<間宮兄弟>と同じく、良い味を出していました。
(ひょうひょうとしてとぼけた表情が良い。)
名作<椿三十郎>(黒澤明)の45年ぶりのリメイク版。
監督を森田芳光、椿三十郎を織田裕二が演じた。
脚本を45年前と同じものを使い、映画の雰囲気もほとんど
変わっていない、それは黒澤監督への敬意のあらわえれか?
それは良かった気もする。
白黒からカラーへと変わることで、
この映画の重要な役割を担う椿の色がはっきりとわかりました。
朔的には☆は3つ半でお薦めです。
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