アメリカン・ギャングスター

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アメリカン・ギャングスター 
h20.2.11 ユナイテッドシネマ阿久比

 ユナイテッドシネマ阿久比は、朔太郎の家から
車で20分ほどの所にあります。
劇場が広くて綺麗でなおかつ駐車場が広いので良いのですが、
一人の場合は割引が利かないので、ほとんど行きません。
でも、今回はメンズデーで1000円なので行きました(笑)。

 三連休の最後でかつ、メンズデーであることもあって、
キップ売り場は大混雑していたのに、
200人くらい入れる劇場に20人程度の入り
それもほとんど中年以上の男。

 あの混雑していた人達はどの映画に行ったのでしょう?
とは言え、映画はなかなか面白くて楽しませてもらいました。
作品の出来も良かったので、朔的には☆は3つでお薦めです。

 1968年当時のアメリカが舞台です。
あの頃は、アメリカの繁栄は絶頂期で、他の国を凌駕していましたが、
その裏側はドロドロとした暗黒が漂っていました。

 その時代は、ベトナム戦争の末期であり、
繁栄の裏側では社会的に病んでいた時代であります。
その代表が麻薬(マリファナ、ヘロイン)であり、
それを一手に取り仕切るマフィアの存在です。

 普通マフィアといえば、
禁酒法時代のカポネなどの白人や
イタリア系ばかりであったが、
この映画でのマフィアは黒人の組織です。

 そして、それに劣らず堕落していたのが
それを取り締まるべき警察組織です。

 この映画は実話であるとのメッセージが最初にあり、
それが重みをもっていました。

 警察の腐敗ぶりは、ニューヨーク市の
麻薬取締官の2/3が、この事件に関連して逮捕されたことからも
わかります。
ほとんどの警察官が、賄賂を受け取り、
その見返りとして不正を見逃すのは当たり前のこと、
場合によっては、マフィア以上にあくどい手口で脅してくる。

 麻薬取締官が首謀者を捜し、マフィアの壊滅をしていくことから
気がつくと、警察官の腐敗を取り締まる方向に代わってしまった。
そして、ラストはこのような映画にしては、
珍しくホッとさせられるものであった。

 フランクの母親の言葉。
<正直に生きて行かないと、家族は離れていくよ。>
母思いのフランクにとって一番重い言葉であり、
結果的に警察に協力をすることで、
この言葉を最後は守ったことになる。
財産や権力を全て失ったけど、そこには一番大切な家族が残った。

 フランク(デンゼル・ワシントン)は、
ニューヨークのハーレムを仕切る黒人の
マフィアのボスのために尽くしてきた。
そのボスが死に、白人やイタリア系のマフィアが
それにとって代わるのを見て、
そのやり方に憤りを感じた。
そこで、自分がそれにとって代わるために、
マリファナをタイに行って直接買い付け、
それを純度100%の麻薬として売っていくことで、
組織を拡大していく。

 そして、自分のファミリーを大切にして、
呼び寄せて、仕事を分担して、組織を作っていく。
家族を豊かにして行くことが、長兄としての役割だと思っていた。
でも、それは犯罪によって成り立っていることであり、
大きな矛盾がある。
結局自分のためである。
麻薬の取引は自分がやらなくても誰かがやること。
少なくともそれを自分がやった方がより誠実であると考えていた。
大きな矛盾である。

 そこには、大きな論理のすり替えがある。
マリファナで自分がもうける。それによって自分の家族は豊かになる。
でも、それによって不幸になる人がいるわけである。
フランクに良心の痛みはないのか?
彼は徹底的にクール、冷静に人を殺す。

 刑事リッキー(ラッセル・クロウ)は、
捜査の途中で、犯罪に関わる100万ドルのお金を署に持ち帰ったことで、
警察官の反感を買い、署内で浮き上がる。
そんな金は自分で着服するのが当たり前で、
それを署に持ってくるのは、当てつけであるそんな風に思われている。
それほど、警察官の腐敗は進んでいる。

 彼の正義感の強さはこの例でもわかるが、
離婚した妻との間に息子の親権を巡って争っているように、
警察官としては良いが、人間としてはどうかな?

 この二人の対決がこの映画の面白さ、
デンゼル・ワシントンはイメージが悪人ではないので、
ちょっと違和感がある気がする。

 1968年のアメリカはニューヨークのハーレム、
ここを拠点にして、麻薬取引を成功させた
暗黒街のボスがフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)である。
彼は、アメリカのマフィア史上、初のアフリカ系のマフィアである。
裏に隠れて目立たない男であるが、
麻薬汚染に国家的な危機を感じた政府は、
特別捜査官を任命して、首謀者を突きとめ、この組織を壊滅させることにした。
その特別捜査官に任命されたのが、
リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)である。
彼は正義感あふれる刑事であるが、署からは浮いていた。
果たして二人の対決はどうなるか?
 

 

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