幻影師アイゼンハイム h20.6.21 ミリオン座
21日は名古屋で俳句のある日だったので、
午前中に見られる映画はないかと物色をしていたら、
この映画が目にとまり、なんの予備知識もなしに見ました。
幻影師という言葉から、摩訶不思議な世界をぼんやりと想像をしていましたが、
実際にこの映画を見て、このタイトルの意味がわかりました。
19世紀末のウィーンが舞台。
マジックに興味をもった貧しい少年と貴族の娘ソフィが恋に落ちます。
でも、ふたりは身分が違いすぎるため、強引に引き離されます。
少年は失意の中、外国を巡ってマジックの修行にでます。
そして、10数年後に彼が帰ってきます。
名前をアイゼンハイムと改め、劇場で見事なマジックを見せ、
大好評を博し一躍人気者になります。
ある時、皇太子が彼のマジックを見るために劇場にきます。
そこには愛するソフィがいて、彼女は意に反して、
皇太子の婚約者となっていました。
果たしてふたりの運命は?
朔的には☆は3つ半で、お薦めです。
アイゼンハイムのイリュージョンも楽しめますが、
やはり主題は爽やかな純愛で、愛の強さを感じます。
「♪かならず最後に愛は勝つ」
どうしてこういう映画を、メジャーな映画館でやらないのでしょうか?
ミリオン座まで行かなければ見られないのはもったいないです。
少し前にあった「プレステージ」よりはるかに良かったです。
ネットには、全米公開時は51館でスタートの後、
出来栄えの良さが次々と口コミを呼び、1438館まで拡大、
22週に渡る異例の超ロングラン大ヒットとなった話題作。
とありますが、納得です(*^_^*)。
最近は奇術から超奇術、超魔術などと進歩して、
信じられないことを見せてくれるが、それでもどこか
人間の盲点をついた<種>があるわけです。
そして、この映画は、映画そのものがマジックになっていて、
観客は完全にだまされます。
最後のどんでん返しは、やはりそうであったかと納得すると同時に
そうであってほしいとの願いを叶えてくれるものでした。
もっとも、この映画の価値はラストの<種あかし>にあるわけですから、
これから見る方のためにも、それは死んでも言えません(*^_^*)。
人を思い続けることの強さ、すばらしさを見せてくれます。
貴族と平民の恋、これはあの時代では絶対に許されないもの。
ただ、どんな時代であっても恋をするのは裸の人間であり、
どうするかは、恋をするふたりの強い意志で変わるものです。
とにかく何がおこるか最後までわからない楽しみがあります。
19世紀の暗い時代の雰囲気もよくでていました。
皇太子の悪人ぶりも見事でしが、
それ以上に皇太子に仕える警部役のジアマッティの
演技はすばらしく、マジック好きな彼が
この映画のストリーを引っ張っていく形で進みます。
そして最後に自分の良心に従った行動をとります。
それもまた気持ちが良いです(*^_^*)。
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