ザ・マジックアワー

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ザ・マジックアワー h20.6.22 半田コロナ

 噂には聞いていましたがものすごい人気ですね、
半田コロナの大きな劇場がほぼ満席でした。
小学生の低学年から老人までの幅広い層に受けていて、
大ヒットを実感してきました。

 映画の途中で子供の笑い声が聞こえ、
これはすごいことだと思いました。
大人と子供の笑いの境界を乗り越え、大人と同じ所で笑っていました。
これこそ本物の笑いです。
映画に反応し劇場中が一緒に笑う、
私は映画館で声を出して笑ったのは久しぶりです(*^_^*)。

 映画が終わり、劇場を出た時、
前を行く女子高校生の二人連れが話していました。
「めちゃ面白かった」「やっぱ天才だね」
「いや私は佐藤浩市の方が天才だと思う」
はじめの方の天才は監督&脚本の三谷幸喜のこと、
私も全く同感でした。

 備後(妻夫木聡)とマリ(深津絵里)が深い仲になる。
マリはその町のボスである手塩(西田敏行)の女である。
逢い引きをしているホテルで見つかり、
二人とも殺されることになる。
それを逃れる唯一の方法が、伝説の殺し屋デラ冨樫を探してくること。
助かりたい一心で備後はそれを引き受けるが、全くあてがなかった。
万事窮した時に、映画を作ることにして、
役者をデラに仕立てあげるアイデアを思いつく。
その標的にされたのが、売れない役者の村田大樹(佐藤浩市)である。
彼は映画が大好きで頑張っているがいっこうに芽が出ず悩んでいたが、
ようやく自分のマジックアワーが見つかったと頑張るが……。

 朔的には☆は3つ半でお薦めです。
理屈抜きにとにかく面白い。
そして、映画が好きな人には
映画制作の裏側も見せてくれ楽しめます。
最近腹から笑っていなくて、笑いがほしい人は特にお薦めです。

 マジックアワーとは、昼が終わり、夜が始まるまでの間の時間で、
一日のうち一番きれいな時間帯のことだそうです。
私はそのことを知らなかったので、
この映画はマジックを扱った映画だと思っていました(^_^;)。

 村田大樹が大好きな映画の主役であったが、
今は老人となりCMのタレントをしている、
かつての大スターとの会話にこんなものがありました。
 
 人は誰でもマジックアワーを待っている、
でも、待っていてもこない時にはどうしたらいいのか、
それは次の日を待てば良い。
私は今でもそれを待っている。
だから、君も夢をあきらめるな。
おそらく、これがこの映画のテーマなんでしょう。

 佐藤浩市は生真面目で怖いイメージがありましたが、
今回はそれと対極のお茶目な所をみせ、そのギャップが笑いを誘いました。
見事なイメージチェンジです。

 深津絵里は、よく似ているとは思って見ていましたが、
あまりにも痩せていたので、途中までわかりませんでした。
今キムタクとの<チェンジ>に出ていますから、
その時と比べてあの痩せ方は‥‥、見事な役者魂と言わざるを得ません。。

 西田敏行はもちろんうまいですが、
その子分役の寺島進が特に良かったです。

 この映画「ニューシネマパラダイス」というよりも、
「蒲田行進曲」ですね、
つかこうへいの世界を見ているような気になりました。
どこまでが映画(フィクション)で、どこまでが現実かわからなくなります。
映画馬鹿、銀ちゃんを見る思いです。
アイデア、笑いのセンス、まさに三谷幸喜は天才ですね(*^_^*)。

 エンディングの中で、セットになったこの町が
作られていく様子がでてきましたが、
本物の街全体を作ってしまうのは、
監督のこだわりであり、この映画に対する意気込みを感じました。
やはり、映画は最後まで席は立たないことです(*^_^*)。
 

 

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