「魍魎の筺」(もうりょうのはこ) h19.12.25 安城コロナ
「魍魎の筺」(もうりょうのはこ)を見てきました。
魍魎という漢字は難しくて、なかなかお目にかかれません。
一般的には、魑魅魍魎(ちみもうりょう)という言い方をします。
なお、魑魅魍魎とは、山川、木石の精霊。
いろいろな化け物、さまざまな妖怪変化のことと大辞泉にあります。
原作は「京極夏彦」。
本屋に行くと、彼の文庫本がたくさん出ていて、
どんな小説なのか、ものすごく興味があったのですが、
いまだに読むに至っていませんでした。
彼は、京極堂シリーズ全9冊で、
累計500万部を売ったベストセラー作家です。
大量の作品、その一冊の分厚さ、
さらにその表紙のおどろおどろしいイラストが特徴です。
小さな節穴からそっと覗く、そこには想像を超えた怖い世界がある。
怖いものから逃げたいと思う心と裏腹に、
それを見たいという心理が強く働く、人間の心理って不思議ですね(笑)。
陰陽師(おんみゃうじ)とは、
日本版のエクソシスト(悪魔払いの牧師)みたいなものです。
陰陽師でもある、京極堂という古本屋の主人(堤真一)が、
連続美少女バラバラ殺人事件を解決する話です。
1952年戦後まもなくの日本が舞台。
そこにはまだまだ戦争の爪痕が、いろいろな形で残っていた時代です。
超売れっ子の女優(黒木瞳)の娘が、遺産騒動に巻き込まれて誘拐をされます。
そこへ、連続少女バラバラ殺人事件や
謎の宗教団体<御箱様>が複雑に関わってきます。
この3つの一見何の関係もないように思える事件が、
京極堂の推理で、深いつながりがあることがわかっていきます。
これはミステリーの常道とは言え面白いですね。
映像の作り方は、時間の前後を入れ替えて描く手法が、
新鮮さを感じさせてくれました。
また、日本映画の今を代表する、スター
(他に阿部寛、椎名桔平)をそろえた豪華版です。
朔的には☆は3つです。
ちょっと変わった探偵ミステリーで、
猟奇的な刺激が好きな人にはお薦めです。
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