ゼロ時間の謎

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ゼロ時間の謎 h20.1.19 名演小劇場

フランスらしい香りと雰囲気のする映画でした。

映画の冒頭にたくさんの伏線がひいてあります。
それぞれが、全く関係ないけど、いつかどこかでつながってくると
楽しみながら待っていたら、最後にものの見事につながって来ました。
ジグソーパズルをはめるように…。
小説だけでなく、映画の手法もミステリーでした(笑)。

ひさしぶりに本格的で骨太なミステリー映画、
一つ一つが綿密で計算されつくしていて、見事な作品でした。
謎解きをする警視(あまりエリートとは思えない)の
ちょっとお茶目な感じも良かったです。

予想外の展開、予想外の犯人とその動機。
どれも私は抜けませんでした。
最後まで、どうなるかがわからなかったので、
画面に吸い付けられて、退屈する暇もなかったです(笑)。

普通の推理小説は、最初に殺人事件があって
犯人を見つけていくが、それは誤りである。
本当の殺人事件は、わけありの人々が集まり、
その葛藤の中で、ゼロ時間に向かっていき、そこで殺人事件が起こる。
これが映画の冒頭にこのことが語られるが、
その通りに展開された映画である。

名演小劇場の一階は、狭くて小さな劇場(30人程度の大きさ)に
土曜日の夕方に、1/3程度の入りではあまりにも寂しい…。
あんなに良い映画なのに、
ハリウッド映画でなければ、客は入らないのかな?

一人一人の登場人物が個性的に描かていました。
夏のある日、避暑地の豪華な別荘(カモメ荘)に住んでいる、
伯母(カミーラ)の元に
相続者である甥のギョームと妻のキャロリーヌ、
前妻のオードが避暑にやってきます。

その他に、キャロリーヌの昔の恋人(フレッド)、
オードを密かに慕うトマ、
カミーラの介護をするマリが、この別荘に集い、
過去の憎しみと憎悪、
遺産相続、愛情などの人間関係が複雑に絡んでくる。
そして、一つの前触れとも言える殺人事件の後で、
伯母のカミーラが何者かによって殺害される。
果たして犯人は誰か?

 原作は、ミステリーの女王アガサ・クリスティーが
自ら生涯のベスト10の一本と認める傑作
「ゼロ時間へ」である。

 また、前妻のオード役に、 キアラ・マストロヤンニが
彼女は、フランスの女優で、
父親はマルチェロ・マストロヤンニ、
母親はカトリーヌ・ドヌーヴである。
そういわれてみれば、彼女には若い時のドヌーブの
知的で寂しげな表情がよく似ています。
 

 

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