初恋の来た道 h20.10.10 DVD
「初恋の来た道」をDVDで見ました。
朔的には☆は4つで、私の中での最高ランクの映画です。
これで3回目になりますが、見るたびに新しい感動が起こり、
涙が止まりません。
心が洗われるようで、自分がいかに汚れてしまったかを知らされます。
初恋という言葉から受けるイメージは、
ズバリ「さわやかさ」です(*^_^*)。
人が初めて恋をする時、そこにあるのは純粋に
その人を好きだという気持ちと、
それをなんとか伝えたという思いだけです。
でも、この思いを伝えることが難しい(笑)。
何しろ、初恋をする頃の人間は幼く、どうしたらうまく伝えられるか?
どう行動したら良いのかがわからないからです。
また相手にどう思われているかわからないし、
自分のことを嫌いかもしれません。
さらに告白することで、その人が離れて行ってしまうのではないかと
いろいろな思いが去来します。
この映画のように、初恋の人と結婚をして
一生を愛するままで添い遂げるなんて
奇跡的なことだし、本当に幸せなことだと思います。
主人公である、貧しい村の美少女、
チャオ・ディ(チャン・ツィイー)は「さわやかさ」そのものです。
清純で清らかな目の輝き、
彼女が初めて、初恋の相手となる小学校の先生を見た時の
表情が忘れられません。
今から40年ばかり前、
文化大革命の頃の中国の貧しい田舎の村へ、
20歳の青年ルオ・チャンユー(チェン・ハオ)が
小学校の先生として赴任するために、この道を通って馬車でやってきます。
この青年に恋するチャオにとっては
まさに「初恋の来た道」となり、
彼女にとって忘れられない道となります。
この道で彼に思いを告げようと、待ち伏せをしたり、
事情があって村を去っていく彼を見送ったり
帰ってくるとの約束を信じて待ち続けます。
この道沿いの四季の美しさの描き方は、
まさに映像の天才の名にふさわしく、
クリアーで鮮やかさが際だちます。
黄金色に紅葉する草原の中を少女が駆け抜ける姿は、
躍動感があり、少女の初恋の清純さを増幅させています。
中国の農村の貧しさ、でもなぜか貧しさを感じさせません。
それは心の豊かさがあるからでしょう。
人を愛することのすばらしさ、家族愛、地域住民の愛、
今の日本が忘れているものがそこにあり、
心の原風景とも言えるものです。
そして初恋とは国を超え、時代を超えても、
同じなんだと思ったものです(*^_^*)。
文化大革命の影響が、小さな田舎の村にも及び、
ルオはその関係で、村から町へ連れて行かれて、拘束をされます。
何とも理不尽な時代です。
でも、自分の帰りを道に立って待っている
彼女の熱意を伝え聞いて、
彼はそれを振り切ってまで彼女に会いにきます。
その奇跡的な行動力は、
ドラマチックで、感動のシーンです。
それによって彼はそれから長く拘束をされることになるけど、
それ以上のことをやってのけました。
現在を白黒、昔の思い出をカラーで描くという、
普通とは反対のユニークな映像手法がかえって新鮮でした。
村に新しい小学校を建設するための資金繰りに奔走し
町で倒れて死んだ夫。
その夫をあくまでも伝統的な方法で、
遺体を運ぶために自ら布を体を壊してまで、
織り続ける母。
そして、棺を担いで運ぶ時、
大勢の教え子がボランティアでかけつけるという感動的なシーン。
息子に都会で一緒に暮らすことを懇願されるが、
それを断り、一人この村に残るという母の気持ち。
それは、愛する夫が眠る村、思い出いっぱいの村を去ることが嫌だから、
それほど愛することができる彼女は幸せ者です。
村の教育につくし一緒を捧げた夫
その夫につくし、一生を捧げた妻。
息子から見たらどんな風に映るのでしょうか?
それを示すシーンもラストにありました。
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