隠された記憶 h20.9.18 DVD
朔的には☆は3つです。
日常に潜む、誰でも起こりうる恐怖を描いたミステリーで、
それだけに怖く、ヒッチコックタッチの恐怖を感じました。
この映画は、『ピアニスト』のミヒャエル・ハネケ監督が、
カンヌ国際映画祭の監督賞・国際批評家賞・人道賞の三部門を
受賞したものです。
パリに住む、テレビ局の人気キャスター
ジョルジュ(ダニエル・オートゥイユ)は、
編集者の妻アン(ジュリエット・ビノシュ)と
一人息子ピエロの三人で平穏に暮らしていました。
ある日突然、家にビデオが送られてきます。
それは家と人の出入りだけが映っているだけのもの。
誰かのいたずらだろうと思っていると、
次々に血塗られた絵と共にビデオが送られて来ます。
それは誰が何のために送ってくるのか?
そしてしだいにビデオはジョルジュの身近な風景を映したものに……。
それをたどる内に、彼は自分の子供の頃の「ある出来事」を思いだします。
ビデオを送ったのは誰か?これがこの映画の最大の謎です。
私は妻ではないかと思いましたが、息子のオセロかも‥‥?。
そして、結局真相は闇の中です。
DVDの特典映像の中で監督がインタビューに答えて、
「ビデオを送ってきたのは誰でも良い」
それは見る側が考えれば良いことで、私からは解釈を用意しない。
それが監督の手法だそうで、
彼は人間の「罪」について表現したいと話していました。
そして、身近な誰にでも起こる恐怖を単純に描くことで、
かえって恐怖がますとも話していました。
ジョルジュが6歳の時の隠れた(いや完全に忘れていた)記憶、
それは自分ではたいしたことではないと思っていたのに、
された相手は人生を変えられたこととして、深く記憶に刻まれていました。
その加害者と被害者の意識の差が怖いですね。
映画の内容とは直接関係はないですが、
映画を見ていて感じたことが幾つかあります。
まずは、パリの駐車事情です。
家の前でも路上駐車は当たり前、びっちりすき間なく
車の向きに関係なく停めています。
きっと、縦列駐車が得意でないとパリでは暮らしていけませんね(^_^;)。
それから、夫と妻の夫婦の会話。
フランスでは普通に夫婦の間で、あのように喧嘩をするような
話し合いをするのでしょうか?
映画だからかな?
日本人の夫婦はあんなふうに話していないですよね?
<言いたいことははっきりと言うのが正しい>
この考え方については、
私は必ずしもそうとは思いません。
なぜならそこには、気遣いとか、配慮がないからです。
さらに、妻の不倫に子供が敏感に反応し、家出をします。
(夫は気づいていないのに(^_^;))
今回の事件を甘えるように、不倫相手に話をします。
その時、携帯の電源を切っていたことを旦那から言われると、
あなたにも秘密はあるでしょ?と切り返します。
この強さは何なんでしょう(*^_^*)?
最後に、<衝撃のラストシーン>とのうたい文句がありましたが、
何も感じなかったので、もう一度見てみましたが、
何もわかりませんでした(^_^;)。
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