コレラの時代の愛 h20.9.20 名演小劇場
朔的には☆は3つ、ハビエル・バンダムの演技に注目、
アカデミー賞の助演男優賞<ノーカントリー>の冷徹な殺人鬼とは
全く別人のようで、特に老人になってからの彼が実にうまいです。
2時間20分と長い映画でしたが、いろいろと変化があって楽しめました。
主人公が50年にわたって恋をした、フェルミナを演じた
イタリアの新進女優、ジョヴァンナ・メッツォジョルノが美しく、
彼女の若い時の裸身と、72歳の時の裸身の対比が見物です(^_^;)。
50年以上も一人の女性を一筋に待ち続ける男。
それだけでも奇跡的なのに、相手は幸せな結婚をしているので、
夫の死ぬのをひたすら待ち続けます。
しかし、ただ待つだけでなく、
彼女を忘れるためと称して、
50年で600人以上の女性と関係を結ぶます。
ということは、一年に100人、3日に一人の割で別の女性と、
関係を結んだことになります。そんなばかな(^_^;)。
そんな法螺話のようなことでも、
この愛の前には真実のように感じられます(*^_^*)。
彼は女性とは深くつきあえません。
それは愛がないからです。
数をこなせばこなすほどむなしくなるはずですが、
それを嫌がらずに楽しんでいるかのように感じられたのは、
父親の血を受け継いだせいかな?
それでも、彼はフェルミナに対しては、
君への愛を貫き純血を守ったと言い張ります(^_^;)。
彼は女性との関係を<習慣>と称して、名前と数を記録していきます。
中には夫に殺された人妻もあり、結構罪なことをしていましたが、
それが彼の人生で、たくましいと思いました。
それは、50年以上も一人の人を愛して、無為に人生を過ごしたわけではなく、
彼の人生がしっかりとあったからです。
この映画は、コロンビアが誇るノーベル文学賞作家、
ガルシア=マルケスの小説を映画化したもので、
内戦とコレラの蔓延に揺れる19世紀後半から
20世紀初めにかけてのコロンビアを舞台に、
愛を貫いた男の壮大な人生を描いた一代記です。
1897年のコロンビア・カルタヘナ。
郵便局員のフロレンティーノ(ハビエル・バンダム)は、
配達先の令嬢フェルミナと恋に落ち、結婚の約束をします。
しかし、金持ちの男と結婚させると決めていた父親の大反対で、
無理矢理二人は遠く離れてしまいます。
それでも、彼はあきらめず、再び会える時をひたすら待ち続けます。
そして待ちに待った再会。
でも彼女から「この恋は幻想であった」と言われふられてしまいます。
彼女は遠く離れて、時間の経過と共に、
夢から覚めて現実を知ったのでしょう。
そして彼女は、コレラの権威である医者と幸せな結婚をします。
それでも彼はあきらめません。
これは、立派なストーカーですね(^_^;)。
しかし、彼は運の強い男で、
叔父さんのパナマ運輸の会社を継いで社長になったり、
やさしい目が良いと女性にもてまくります。
その理由を彼は、
自分は「空虚で安心できる男であるから」と言っていました。
とにかくねばり強く、彼女のことについては絶対にあきらめない男。
そして、手紙を書くのが上手です。
その例として、「恋は恩寵です」
これは彼女への恋文に書いて言葉で、
これが殺し文句となりました。
なお、この恩寵とは
「罪深い人間に神が無償の賜として与えるもの」という意味があるそうです。
そして長い年月が過ぎ、
夫である医者が突然死んだので、彼はプロポーズをします。
最初は強く拒否をされますが、持ち前のねばり強さで
愛を勝ち取り、72歳の男女が初夜を迎えます(^_^;)。
それは可能であるのでしょうか?
今は薬があるから、OKでしょうがその頃は?
そんなことを考えてしまいました(^^;)。
彼は彼女にプロポーズする前には、
女子大生と関係があるのですから、
いわゆる絶倫男です。
映画では父親の遺伝だと言っていました。
72歳の裸身にはびっくり。
もちろんCGでしょうが、よく見せました(^_^;)。
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