落語娘

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 落語娘 h20.9.27 半田コロナ

 土曜日の午後に、半田コロナで見てきましたが、
150人は入る劇場に私を入れて二人だけで、
メジャーでない映画の厳しさを感じた。

 落語の映画といえば、
以前見た「しゃべれどもしゃべれども」があるが、
それとはだいぶおもむきが違う映画であった。
テーマは落語界という伝統的な男社会に、
女性が進出することの難しさ、厳しさを描いている。
彼女はパイオニア的な存在であるが、
精神的に強いのは、どうしても落語家になるという高い志があるからである。
男社会ではおきまりのセクハラにも、当然のことのように振る舞い、
するりとすり抜けていく。
その間のうまさも見所の一つである(*^_^*)。

 朔的には☆は3つです。
落語ファンの私としては、
もっと落語界の現状に突っ込んでほしかった気もするが、
女性落語家を目指す香須美役のミムラがうまく、
苦難にもめげずに明るくてさばさばした演技が好感を与えた。
爽やかな女優である。
また、落語も幾つか演じていたが、
なかなか味があり、練習の成果が十分にでていた。

 香須美は落語家になるのが夢であった。
そのため、高校大学の落研で頑張り力を付けた。
そして、憧れの落語家の門を叩くが、落語は女では無理だと断られる。
ショックを受ける香須美であるが、
偶然そこにいた兄弟子の三々亭平佐(津川雅彦)に拾われ弟子入りをする。

 師匠の平佐は、本業の落語には身が入らず、
もっぱらテレビのバライティ番組に出て、稼いでいたが、
ある時番組で大失態をして謹慎をさせられた。

 落語の稽古を一度もつけてもらったこともないし、
仕事をせずに、女と遊んでばかりいる平佐に
ほとほと愛想を尽かしていた香須美であった。
しかし、そんな時にテレビ局の企画で
因縁の落語<緋扇長屋>を師匠がやることを聞く。
この演目には曰く付で、
これを演じる落語家は必ず死ぬというものである。
果たして、平佐は最後までこの落語を演じきることができるのか?
 
 一度は平佐を見限って他の師匠に鞍替えをと考えていた、
香須美であるが、平佐の<緋扇長屋>を演じる真摯な姿に
落語の真の意味<面白さに高級も低級もない>ということの
意味を理解し、また戻ってくる。

 落語家の平佐役の津川雅彦の名演技も見物で、
落語家になりきり、<緋扇長屋>を見事に演じきった。
その語り口は、落語家顔負けである。
 

 

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