太陽

映画の目次へ 

 

太陽 h20.10.11

「太陽」をDVDで見ました。
朔的には、☆は3つです。

 昭和天皇を直接描くことは日本人のタブーでした。
終戦前後の天皇の役割については
いろいろな所で見たり聞いたりしていましたが、
ややもすると表面的になり、深さとか奥行きが感じられませんでした。

 それに対して、この映画は天皇一人に絞って描くことで、
「人間天皇」の姿や思いがよく伝わってきました。
この人間天皇の、1945年8月の姿を、
ロシア人の監督(ソクーロフ)が映画化したものです。
 天皇と言えども、人としての怒り、恐れ、悔やみがあり、
平和への強い思いがあったことがよくわかりました。

 この映画は、何度もレンタル店で目にとまったのですが、
自分の中での気後れや躊躇があって、なかなか決断がつかずに
今日までになってしまいました(^_^;)。
でも、実際の映画は、想像していたほど暗くて
重いものではありませんでした。

 「昭和天皇」は、口の動きに特徴がありましたが、
それをイッセー尾形が見事に演じていました。
やりすぎるとくどくなり、嫌みとなり、その加減が難しいものです。
また、天皇の動作や雰囲気もよく似ていました。

 戦争中は皇后や皇太子は疎開していていたんですね、
初めて知りました。
家族と離れての孤独な様子や、
日常生活等も垣間見ることができました。

 マッカーサー元帥と昭和天皇とのやりとりが
(戦争犯罪人としての天皇を許すにいたった経緯)
興味深かったです。
 マッカーサーは始め天皇を戦犯として罰して、
さらに天皇制も廃止して民主国家を作るつもりでした。
それに対して、天皇は戦犯を受け入れ、
一切の抗弁はしないと明言していました。

 その両者が何度も話し合う中で、理解し信頼しあって、
そこに人間的な友情が生まれます。
さらに、ソ連の脅威が増し、一日も早く日本を独立国にして、
その防衛に当たらせるためには、
天皇制が不可欠であるという
政治状況も加わって、結局天皇の戦争責任は問わないことになります。
 

 

上に戻る