容疑者Xの献身 h20.10.13
容疑者Xの献身を見てきました。
皆さんはテレビのガリレオシリーズ見ていましたか?
女性刑事(柴咲コウ)は、解決困難な事件が起こると、
必ず帝都大学物理学教授、湯川博士(福山雅治)に相談に行きます。
彼は物理学の実験を駆使して、そのトリックを見破り、
難事件を次々に解決していきます。
そして、その謎解きまでのガリレオこと湯川教授と
女性刑事との掛け合いが実に面白い(*^_^*)。
今回の事件は殺された富樫の
別れて妻(松雪泰子)が犯人と思えるが、
殺人のあったその日には、完璧なアリバイがある。
そのアリバイ崩しを依頼されたガリレオであるが‥‥。
その事件の裏に、かつての親友、数学の天才学者
石神の存在があることを知る。
果たしてガリレオはそれを崩すことができるのか?
ミステリーだから、これ以上筋は言えませんが
「献身」という言葉がカギです(*^_^*)。
朔的には☆は3つです。
長編小説をうまくまとめ、
わかりやすく描いていて、監督の才能を感じます。
この映画の原作である小説の主人公は、天才数学者の石神であって、
ガリレオこと湯川教授ではありませんが、
テレビドラマのガリレオシリーズが大ヒットし、
その影響でこの映画ができたので、当然のように
湯川教授ことガリレオ(福山雅治)が主役となり、
女性刑事(柴咲コウ)とのコンビに書き直されています。
小説ではガリレオが直接でてくることもないし、
刑事も男でした(*^_^*)。
小説そのものもよくできていたし、映画も面白かったです。
(おそらく原作を読んでなくても、面白かったと思います。)
あっと驚くようなどんでん返しもあり、最後の最後まで楽しめます。
映画化にあたり、石神を誰が演じるのかと興味がありましたが、
まさか堤真一とは……。
彼は好きな役者であるが、この役はどうかな?
高校の数学教師で40代独身、身よりもなく、一人アパート暮らし、
女には全く縁がなく、数学しか興味のない、やぼったい男の役柄、
彼の持っているイメージには遠く及ばないものです。
まあ、それでもうまくは演じてはいたけど…(^_^;)。
石神(堤真一)は、人生を悲観し死を覚悟した時、
隣に越してきた彼女(松雪泰子)によって
生き甲斐を与えらます。
憧れの彼女を日々見つめていくだけが彼の生き甲斐であり、
至上のものでした。
彼女にとって最悪の事態の時に、
それを与えてくれた彼女への恩返しの行為が、
想像を変える<献身>となって表れます。
でも石神の生き方はどうかな?
超優秀な頭脳を持ち、将来を嘱望されながらも、
お金のために大学教授となる夢をあきらめ、高校の数学教師になります。
数学の研究は唯一の楽しみとして続けているが、
もう人生をあきらめています。
そして彼の高校での授業は……。
生徒はほったらかしで、数学の難しい理論を
そのまま教えて、全く生徒のための授業はせずに、
自分の世界に入り込んでいます。
そして、生き方もあまりにも情けない。
もっと自信をもって、強く生きて行くべきだ。
天才と言われる程の頭があるし、健康であることを考えれば、
自殺するほどの状況ではないと思うし、
挽回のチャンスは必ずあると思う。
石神がテストの問題の作り方で言った言葉、
『幾何と思わせておいて、実は関数の問題である。』
人は思いこみに弱く、それを使った殺人トリックが
今回の謎解きのヒントである。
本来の殺人事件が起こった日を翌日だと思わせるために、
全く関係のない別の殺人を行い、
その死体を前日の殺人事件の死体と思わせる。
それによって、警察は被疑者のアリバイが完璧であると
思いこませることができます。
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