ゼア・ウィル・ビー・ブラッド h20.9.16 DVD
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」をDVDで見ました。
朔的には☆は3つで、ちょっと難しい映画でした(^_^;)。
昨年度のアカデミー賞の主演男優賞をこの映画の
ダニエル・デイ=ルイスが取ったので、
どんな演技をしているのか確かめたくて見ました。
画面も暗く、内容も暗く、
見終わった後にど〜〜んと重いものが残ります。
1900年代の初期のアメリカの一匹狼的な
石油屋のダニエル・プレインヴュー
(ダニエル・デイ=ルイス)を描いています。
「石油=金」。
石油のためなら何でも利用する、
子供でも弟でも神でも……。
そして、言葉巧みに住民を騙して、土地を安く買い取っていきます。
彼の金への執着、拝金主義は徹底しています。
大手の石油資本に対抗すべく、一人で立ち向かい
成功をして、アメリカンドリームをつかんだ男、
でも、それは全てのもの(肉親への愛情、友達、神)を
犠牲にした上でつかみ得たもので、果たして彼は幸せであったのか?
私は虚しい栄光だと思うのですが‥‥。
オープニングは、一人岩盤の洞窟でダイヤを掘る男。
大けがをしながらも必死の思いでダイヤを見つけ、
それを元手に、石油を掘る事業に手を出していきます。
「ダイヤを掘る」、ここにこの男の原点がある気がします。
宝探し、それが見つかった時の高揚感は、
ギャンブルに通じるのでしょう。
石油の発掘も同じです。
リスクもあるが、うまく掘り当てた時はいっきに大金持ちになります。
一つのもうけを次に投資をして、次のもうけへつなげる、
それの繰り返し、彼は一生懸命働いているが、
そこにはどうしたら金が儲かるかの価値観しかありません。
幼い子供を連れて交渉をする方が、
相手が信用するという理由で孤児を育てています。
でも、可愛がっていると思えば、
事故で失明し、仕事のじゃまになると、
あっさりと他人に世話を任せてします。
また、自分の腹違いの弟が出てくると、
疑いながらも、それを利用して、交渉に連れて行くが、
正体を知ると殺してしまいます。
ある土地を手に入れるためなら、大嫌いな神父に跪き
神を信じるふりをする。
とにかく何でも自分のためになることは、
利用をしてのし上がっていきます。
主演男優賞をとった作品で、確かに彼は人物になりきり、
鬼気迫る名演技ではあったが、
はたしてそれだけで賞はとれたのかな?
では、この映画のメッセージはどこにあるのでしょうか?
最近のアメリカの企業の拝金主義、
金儲け第一主義への強い警鐘ではないか?
それを裏付けるように、昨日<リーマンブラザーズ>
(アメリカ第4位の証券会社)が60兆円の損出を出して、
倒産をしてしまいました。
これはその象徴的な映画である気がします。
拝金主義と言えば、三笠フーズの汚染米の食用への転用事件。
金が儲かれば何をしても許されるという
考え方が今の日本にも蔓延している気がします。
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