ああ、結婚

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あぁ、結婚生活 DVD h21.5.5

 朔的には☆は3つです。
 
 熟年夫婦の実態がコメディタッチで描かれていて、
面白いと笑って見ていたけど、後から考えると
内容が深くて濃い映画でした。

 結婚して20年も30年も、いや死ぬまで仲の良い、
ラブラブな夫婦も世の中にはいるかもしれませんが、
大半(いや私はほとんどだと思いますけど……(*^_^*))の夫婦が
お互いに不満を持ち、この状況をなんとかしたいと思っています(^^;)。

 1940年代のアメリカ、その豊かな中流社会を描いています。
(その頃の日本との違いに驚かされます……)
映画は熟年夫婦(50代後半)のハリー(クリス・クーパー)と
パット(パトリシア・クラークソン)、
さらにハリーの親友リチャード(ピアース・ブロスナン)、
ハリーの恋人であるケイによって繰り広げられます。

 ハリーは、永年連れ添ったパットに嫌気がさし、
精神的な愛を求め、若くて美人で魅力的なケイと不倫し、
結婚することを夢見ています。
ケイは30代後半の超美人、若くして結婚しましたが、
戦争で夫を亡くし、今は一人。
その寂しさからハリーを求め、彼の愛を信頼し、頼りにしています。

 ケイはハリーが今まで本当に愛されたことがないことを知り、
自分がその心の空白を埋めてあげたいと心から思っています。
こんな魅力的な女性に、結婚生活にうんざりしていた男が出会えば、
心が大きく動くことは仕方がないことで、
そんな意味ではハリーは不幸でした。
でもうまく離婚ができれば、ケイと再婚でき
夢のような生活が待っているのですから、頑張るわけです(*^_^*)。

 そんなわけでハリーは離婚を強く願いますが、
問題は長年連れ添った妻のパットのことです。
今は愛してないとは言え、自分を信頼し、支えてくれた妻、
それを悲しませることは辛くてできない。

 もし、このことがわかれば、
彼女は嘆き悲しみ、生きていく術を無くしてしまうでしょう。
だからなんとか彼女を悲しませずに別れることはできないか?
そのためいろいろと考え、行動に移しますすが、
どれ一つとしてうまくいきません。
なら、いっそのこと毒殺しようと考えるわけです(^^;)。
ここまでいくと笑ってしまいますが‥‥。

 自分の妻は自分がいないと何もできない、
自分を頼りきっている、か弱い存在であるというのは全くの勘違いです。
実際はそんなことはなく、妻も夫と同じことを考え、
夫の友人と隠れて不倫をしています。
しかし、この妻は夫より賢く別れるつもりはなく、
夫にわからないようにうまくやっていこうと思っています。
(それは夫を悲しませたくない、
夫は自分がいないとなにもできないと思っているからです(*^_^*)。)

 ハリーの親友リチャード(ピアース・ブロスナン)は、
プレイボーイで独身です。
ハリーからケイを紹介され、近い内に離婚して
彼女と再婚することを知らされ、
彼女の力になってほしいと頼まれますが、
いつしかケイに惚れてしまいます。
これは親友のハリーを裏切ることだけど、
二人の愛も真剣だから仕方がないですね、
だからハリーも後で許してくれます。

 それが結果的に良い方向に転び、
ハリーとパッドの仲を元に戻していきます。
そして一件落着、ハリーとパットはそれから先も
死ぬまで仲良く連れそうことになります。

 映画的にはこれで良いのですが、
もし本当にハリーがケイのことを愛し、再婚したいと思っているなら、
親友であっても、ことがなるまでは絶対に秘密にするべきです。
こんな素敵な女性が自分を愛していると、
親友に見せびらかしたいと思ったのでしょうが、
これが全ての過ちでした。
親友といえども自分の恋のためなら、親友を裏切ることも厭わないものです。
それが恋です。

 途中から妻を毒殺することになって、ミステリーの要素が入り
より面白くなりました。
でも、あの夫には妻は殺せません。もっとも逆は可能ですが……(^^;)。

 DVDの特典映像に公開されてないラストシーンがありました。
これを見て、私はこの映画の深さを見直しました。
監督はここまで深く考えて作品を作っているんですね(^o^)?
 

 

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