ホルテンさんのはじめての冒険 名演小劇場 h21.3.21
朔的には☆は3つで、見た後にほのぼのとした温かいものが残りました。
この映画を見ながら、定年を間近に控えた自分にダブらせて見ていました。
私も定年による、晴れがましい席は嫌だと思っているので、
それはホルテンさんと同じですね(*^_^*)。
でも、彼の偉い所は、それをさけるわけでもなく、
言われるままにつき合い、静かに時を過ごしています。
その姿から孤立ではなく、孤独を楽しんでいる人だと思いました。
明日は定年前の最後の搭乗であるからと、
退職の送別会の後の2次会を断りますが、
それでもと言われつきあいます。
2次会の場所はとあるマンションの一室ですが、
たばこを切らせていることわかり、
買うために一人だけ遅れていきます。
マンションに入る暗証番号を聞いていましたが、
なぜかそれがだめで、、マンションの中に入れなくなります。
普通はそれであきらめて帰るものですが、
人の良いホルテンさんは、工事中のマンションの外部階段を伝わって、
他人の部屋を通り越して、2次会の部屋に行こうとします。
でも運悪く、一人で留守番をしている子供に見つかり、
その子に自分が寝るまで帰らないでと頼まれると
帰ることができず、疲れからうとうととして
気がつけば寝過ごしてしまいます。
この予期せぬアクシデントにより、
最後の搭乗に遅れ、電車に乗れませんでした。
この悔やみても悔やみきれない失敗も、
ホルテンさんの人の良さの表れですね。
こうして彼の2度目の人生は、定年の最後の日から始まりました。
ホルテンさんは67歳、オスロに住む高速鉄道の運転士で、
40年間鉄道一筋に真面目に勤めて来ました。
独身で女っ気なしの犬との二人暮らし、
外食が主で、味気にないレストランで一人黙って食べています。
何を楽しみに生きているのか?と思ってしまいますが、
それが彼流の生き方なんでしょうね(*^_^*)。
ノルウェーは67歳が定年なんですね、
さすが社会福祉の充実した国です。
彼には認知症の母がいて、
その母が入っている老人施設の個室も立派でした。
40年間鉄道一筋、仕事一筋できたホルテンさんが
定年を機会に、新たなる人生、新たなる人との出会いを求めて冒険をします。
(冒険といっても、ほんの些細なことですが、
初めての彼には刺激的なことばかりです)
そして、新しい旅立ちへのターニングポイントは、
母の夢だった、スキーのジャンプでした。
母は女だからということで、スキージャンプの選手を断念しました。
その悔しさはいかばかりでしょう。
その母からのジャンプの誘いを怖いと断っていて
それが今でも後悔として残っていました。
それをやることで、トンネルから抜けて新しい人生が始まります。
自分のできなかったことや、したかったことなどをすることで、
超えられない何かを超えることができるものです。
ノルウエー映画を初めて見ましたが、
のんびりとほのぼのとして良かったです。
でも、寒そうですね(^^;)。
2次会は知人のマンションの部屋に行って飲む、
ここらあたりが日本と大きな違いがある気がします。
日本のような居酒屋はないのでしょうか?
愛すべき寡黙でひょうひょうとしたホルテンさん
でもそんな彼を理解して愛して待っている女性もいて、
ハッピーエンドでした。
この作品は、去年のアカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされた作品です。
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