蒲田行進曲

映画の目次へ 

 

蒲田行進曲(1982) DVD 12/12

 朔的には☆は3つ半で、お薦めの映画です(*^_^*)。
映画人の良い映画を作るぞという心意気が伝わってくる、
日本版の<ニューシネマパラダイス>とも言える作品で、
映画好きにはたまらない作品です。

 時代劇が元気で、邦画を引っ張っていた古き良き時代の話。
銀幕の大スターである、<銀ちゃん>こと倉岡銀四郎(風間杜夫)と
その付き人である大部屋俳優のヤス(平田満)と
銀ちゃんの女で、元女優の小夏(松坂慶子)との
奇妙でおかしく、悲しく、温かいふれあいを描いています。

 銀ちゃんは、役者としての華もあり、
人情家で、面倒見も良いのですが、
感情の落差が激しいのが玉にキズです。
こんな銀ちゃんに憧れているのが大部屋俳優のヤスで、
銀ちゃんのためなら何でもするというほどの惚れっぷりです。

 そんなある日、銀ちゃんが小夏を連れてヤスのアパートに来ます。
それは、自分の将来にとって、
腹ぼての小夏が邪魔になったので、ヤスに押しつけるためでした。
銀ちゃんのためならと、結婚を承知したヤスは、
小夏に気に入られるために、真心を尽くし、
小夏のためと危険な仕事をとっていましたが、
ついに、階段落ちまですることになります。

 階段落ち"とは、映画「新撰組」のクライマックスシーンで、
斬られた勤王の志士が数十メートルもの階段をころげ落ち、
死ぬかもしれぬ一番の見せ場、
これによって土方歳三役の銀ちゃんに、花をもたすことができます。
 
 映画を見ると、不思議な<つかワールド>に誘ってくれます。
この映画は今から26年前の1982年の作品で、
私は32歳でしたが、
その頃の私は、つかこうへいに夢中になっていました。
人から勧められて、最初は「小説熱海殺人事件」を読みましたが、
そのはちゃめちゃな展開に驚くとともに、
今だかつてない新鮮な感動を受けたものです。
それ以後、彼の作品はほとんど買って読みましたし、
映画はもちろん、芝居も東京で見たことがあります。

 この作品は小説でまず読み、後でビデオで見ましたが、
映画のできも小説に劣らず、すばらしいものでした。
脚本もつかこうへいですから、まるで舞台を見ているように、
テンポが良く、ユニークで新鮮な映画になっていました。

 最近はやや太めになってしまった松坂慶子ですが
まだ若くてきれいで、素敵なプロポーションでした。
大胆な濡れ場シーンもあり、ドキッとしてしまいました(^_^;)。
そして、はちゃめちゃだけど憎めない
銀ちゃんは風間杜夫でなければだめです(*^_^*)。
 

 

上に戻る