大阪ハムレット h21.2.8 名演小劇場
「大阪ハムレット」を名演小劇場で見てきました。
朔的には☆は3つ半、お薦めの映画です。
名演小劇場へ行かれない方はDVDが出たらぜひ見てください。
元気がもらえることうけあいです(*^_^*)。
毎週木曜日の午後9時から中京テレビで
「ケンミンショウ」という番組があります。
みのもんたの司会で各県を代表するタレントが出演し、
その県独自のもの、たとえば料理とか風習とかを紹介するものです。
見るたびに県によってこれほど違うのかと驚かされ、
いつも目からウロコの世界です。
特に「大阪(なにわ)」は、日本とは思えないくらい個性的で
独特の文化を持っています。
ほとんどの人がお笑いの基本である「ぼけとつっこみ」を習得し、
それを日夜研鑽しています(^o^)。
これは吉本の影響なのか?
それとも、この土壌の上に吉本が大きく花を開かせたのか?
それは定かではありませんが……。
この番組おすすめですから、
時間があればぜひ見てください。
大阪人の秘密がわかります(*^_^*)。
「大阪ハムレット」は、そんな大阪(なにわ)の強さを
改めて知らせてくれた作品です。
どんなものであってもとりあえず受け入れ、
受け入れた後で、それによって起こる問題を
なんとか頑張って解決をしていく。
そんな大阪人の前向きな姿勢がよく表現されています。
その何でも受け入れてくれるという、
ウエルカムの姿勢が<温かみ>に感じ、
大阪人は親しみ易いというイメージを作っている気がします。
3人の息子をもつ房子(松坂慶子)の夫が突然死にます。
その葬式の日にその弟と名乗る男が突然現れ、
そのままその家に住み着きます。
房子は昼は病院のヘルパー、
夜はスナックで働く肝っ玉母さんで、
その大らかで太っ腹な性格は
むつかしい年頃の3人の息子を、物心両面で支えています。
長男は中三の受験生、
大学生のファザコン女性に惚れて苦しんでいます。
次男は中一のヤンキーで喧嘩ばかりの日々。
そして、三男は女の子になりたいと思っています。
そうこうしている内に、房子のお腹に中には4人目の子供が……。
果たして誰の子か?
題名の「大阪ハムレット」はもちろん、
シェークスピアの「ハムレット」からのものです。
*****
『ハムレット』(Hamlet)は、シェイクスピア作の悲劇。
デンマーク王が急死する。
王の弟クローディアスは王妃と結婚し、
跡を継いでデンマーク王の座に就く。
父王の死と母の早い再婚とで憂いに沈む王子ハムレットは、
従臣から父の亡霊が夜な夜な城壁に現れることを知る。
亡霊に会ったハムレットは、
実は父の死はクローディアスによる毒殺だったと告げられる。
****
「王の毒殺 叔父の即位 母の再婚」
これとよく似た家庭の状況だと、
次男が学校で「ハムレット」というあだ名をつけられます。
その意味がイマイチよくわからないヤンキーの彼は、
「ハムレット」を必死で読み、
自分の家族のことで悩むわけです(^_^;)。
松坂慶子の大らかで太っ腹な肝っ玉母さんぶり
岸部一徳のひょうひょうとした演技、
特に中一のヤンキー役の存在感ある演技が良かったです。
長男が東京に帰る彼女を追って、愛を告げるシーンは泣けました。
5人家族がそれぞれの問題を必死で、
それも自分の力で解決をしていく姿勢に、
感動させられる爽やかな映画です。
少し前の中日新聞の映画のコラム蘭に
<月はどっちに出ている>の崔洋一監督が
この映画のことを、佳作と言っていましたが、
まさに佳作です(*^_^*)。
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