レッドクリフU

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レッドクリフ PartII −未来への最終決戦− h21.4.26 
半田コロナ

 朔的には☆は4つ、パートTと合わせれば
最高傑作だと思います。

 戦闘シーンの迫力は言うまでもないことですが、
それにとどまらず、登場人物の人間的な魅力や
心理戦を十分に描き、
なおかつ友情やラブストーリーもたっぷりと入れてありました(*^_^*)。

 この映画の主題、誤解を恐れずに言えば
「女性の愛を得るのに、金や地位は関係ない」
「女性は愛に生きる」ということでしょうか(*^_^*)?

 一人の美女を得るために、80万の兵を動かし、
その美女のいる国に侵略し滅ぼしてしまう。
そんな曹操の気持ち、男として分かるような気がします。
それほど小喬は良い女です(*^_^*)。

<パートTから>
 漢王朝の末期、漢王の力は衰え
魏の曹操、呉の孫権、蜀の劉備の三国が激しく覇権を争っていました。
その中でも特に力の強かったのは、
漢の丞相である曹操で、若い皇帝を思うように操り、
いつかは自分がその位につくことをねらっていました。
その野望実現のために、皇帝を脅し、
漢軍80万を劉備を討つために差し向けて、
劉備軍を圧倒的な強さで敗ります。

 劉備軍の軍師である孔明は、この危機を脱するために
孫権と同盟を結ぶことを提案し、
自ら呉の国に出向き、孫権を説得し同盟を成功させます。

 孫権は信頼篤き周瑜に全軍の指揮をとらせ、
ここに2国の連合軍5万が、
80万の曹操軍と赤壁で戦うことになります。

 周瑜の妻が小喬で、
若い頃曹操は彼女に会い一目惚れをし、
人妻となった今でも、理想の女性として彼女を強く求め続けています。
**********

 どうして、わずか5万の劉備、孫権の連合軍が
80万の曹操の軍に勝つことができたか?
これがこの映画のテーマの一つだと思いますが、
私はそれは『油断』だと思います。

 『油断』の由来は、延暦寺の「不滅の法灯」からきています。
 延暦寺ができて1200年近くになりますが、
それ以来ずっと灯され続けてきた「不滅の法灯」があり、
毎朝当番の僧侶によって、菜種油が注がれています。

 以下、ネットから抜粋です。
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 実は、この法灯は毎日油を注ぎ足さなくても数日は
 燃え続けるそうですが、「ま、いいか」と、
 油を注ぎ足さない日が出てしまうと、それが習慣になり、
 いつの間にか何日油を注ぎ足してないかが
 分からなくなって、火は消えてしまう。
 そうならないためにも、必ず、毎日油を絶やすことはないそうです。
 決して油を絶やさない。
 ここから「油断」という言葉が生まれたとも言われているそうです。
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 80万と5万の兵が戦うと言っても、
この大軍勢が直接ぶつかるわけではなく
戦闘は百人とか千人の単位で行われ、
その積み重ねで勝負が決まるものです。

 いくら中国大陸が広いと言えども、
これほどの大軍勢が直接ぶつかれる平野はないし、
たとえあったとしても、戦略上から小軍勢の方は
そうならない戦地を選ぶものです。

 もちろん、疲労とか兵の消耗を考えると、
大軍勢の方が圧倒的に有利ですが、
それを除けば、一つ一つの戦いは五分五分であり、
決して勝機がないわけではありませんが、
それには兵士の高い志気が必要です。

 圧倒的な兵の数を見ると、
普通はこれはとても勝てないと思って、志気が落ちるものです。
しかし、この連合軍は十分な志気を保つことができました。
それは、孔明や周瑜等の指揮官が有能で、
人を扱うことがうまかったからです。

 それに対して、曹操軍は志気に劣りました。
それは侵略する側であり、
曹操の権力を恐れて、仕方なしに味方についた
寄せ集めの軍であったからです。

 これほどの大軍であれば、兵糧攻めが一番で、
(秀吉なら絶対にそれをやります)
これをじっくりとやられたら、ひとたまりもありません。
しかし、曹操は誇り高き将軍であり、
あくまでも正攻法にこだわります。
『自信と奢り』そんな性格も災いしましたが、
孔明はそれを十分承知していたのでしょう。

 曹操は有能で才気溢れる将軍でしたが、
今回は80万という大軍勢のために油断をしてしまいました。
曹操といえどもやはり人間であったわけで、
もし、これが10万対5万の戦いであったら、
結果は違っていたかもしれません。

 諸葛孔明は格好良いですね、
軍師とは兵学のみでなく、その土地のこと天文学のこと等
あらゆる知識が必要です。
今回の戦いのメインは、長江での水軍の戦い。
木造船の欠点は火であり、
火攻めが有効であることは、誰でも考えることです。
そして、その勝敗の鍵は風上にいるか風下にいるかです。
始めは曹操側が風上でしたが、
孔明のすごさは、天文学の知識により、風の変わることを知り
それを戦法(知恵)にもって行けることです。

 知識を知恵に変え、人の心理(人の気持ちを読んだり、
油断をさせること)を知り、誘導することで、
いろいろな奇跡を起こし、この戦いを勝利に導きます。
 

 

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