天使と悪魔

映画の目次へ 

 

天使と悪魔 h21.5.20 安城コロナ

 朔的には☆は3つです。
 「ダビンチコード」に引き続き、
ベストセラーになったダン・ブラウンの小説が原作です。
ダビンチコードが日本で話題になっていた時から、
「天使と悪魔」の方がさらに面白いと言われていて、
興味を持っていました。
それが映画化されたのですから、嬉しかったです(*^_^*)。

 ダビンチコードはベストセラーになり、
テレビでは特集を組んでその謎解き
(ダビンチの最後の晩餐に隠された秘密)が紹介され
一大ブームになっていました。

 私は小説を読み、テレビの特集もいくつか見ました。
そのため映画を見る時には、謎解きは全て終わっていましたが、
あの複雑で長い小説をどのように映画化するのか?
そちらの方に興味があり、期待をして見ました。
しかし、小説に沿って謎を一つずつ解明して行くことに終始し、
さらに、主演のトムハンクスやオドレイ・トトゥに魅力が乏しく
期待ほどの作品ではなくがっかりしました。

 そのため、今回は同じ轍を踏まないために、
小説も読まず全く予断を入れないで
(ただ予告編だけは見ました)見ました。

 最初の15分から20分は単調で、
睡魔が襲ってきて大変に危険な状態でしたが、
その後迫力あるシーンがあってから目が覚め、
どんどんテンポも良くなっていきました。
何よりも緊迫感を醸し出す、音楽と急ぐ車の動きや
急ブレーキの音がドキドキハラハラさせてくれました。
ローマやバチカンの教会、彫刻、美術などがたっぷりと見らるのも
歴史に興味がある者としてはうれしいものです。
ぜひ死ぬまでには行ってみたい場所です。

 犯人へとつながる謎解きメインですが、
時間の関係で、そのうんちくが割愛されていて、
アッという間の謎解きとなっていました(^^;)。
きっと、この謎解きが小説的には一番面白い所でしょうが、
今回はそれを手短にして、
サスペンス中心にしたのが良かったと思います。
それでなければ、確実に寝ていたでしょう(^^;)。

 「宗教と科学」の対立、これがメインテーマです。
宗教と科学の対立といえば、ガリレオを思いだします。
彼は、キリスト教の教義である天動説
(地球は動かず太陽が地球の周りを回っている)を覆し、
地動説(地球が太陽の周りを回っている)を唱えました。
それに危機感を感じた教会が、ガリレオを始め
科学者に弾圧を加えたことは有名な話です。

 原作はこの時結成されたという、イルミナティという
科学者の秘密結社が、それ以後ずっと生き続け
今も教会と対立を続けているという設定になっています。

<あらすじ>
 バチカンではローマ法王の死去に伴い、
コンクラーベという法王の選出が行われています。
その法王の候補者である4人の枢機卿【すうききょう】が
何者かに誘拐され、1時間ごとに4人を殺し、
最後はバチカンを爆破するとの犯行声明文が送られてきます。

 また、時を同じくしてスイスの研究施設から
「反物質」という、強力な破壊力をもつ爆弾が
犯人によって盗まれます。

 この犯行にはイルミナティが関係していることがわかり、
その道のエキスパートである、
ハーヴァード大学のラングトン教授(トムハンクス)が
バチカン警察から、依頼を受けこの犯行の謎に迫ります。
果たして彼はバチカンを救うことができるのでしょうか?

 「反物質」とは、ビッグバンの謎を解明するもので、
これを容認することは、地動説以来のキリスト教会の危機である。
という考え方が、この小説のテーマの根底にあります。

 10億のキリスト教徒の指導者となるローマ法王は、
ある意味ではアメリカ大統領よりも偉大なことです。
それを手に入れようとした
若き宗教家の野心とその野望の果ての姿でもあります。

 まあ、それは別にして謎のベールに包まれて
見ることができなかった法王の選出
(コンクラーベ)の様子が見られたのは良かったです。
 

 

上に戻る