12人の怒れる男 h21.8.25 dvd
朔的には☆は3つ半で、
原作の映画を上回るというわけにはいきませんでしたが、
それでも凄く良かったので、お薦めです。
あの有名な作品(十二人の怒れる男)のリメイク版、
題名の数字(原作は十二、本編は12)が違っています(^_^;)。
アメリカのスラム育ちの少年の父親殺しを
現代のロシアと、チェチェン紛争孤児の養父殺しに置き換えていました。
ラストは原作と大きく違っていて、
その意外性と妙に説得力ある展開から、
単なるリメイク版とは言わせない、力強い作品にしていました。
もう一度原作を見たくなったので、
さっそくレンタルで見ました。
その結果、原作の素晴らしさを改めて確認すると共に
リメイク版との共通性も見つめました。
でも、違いもいくつかあり、
題名がもし違っていたら、私は気づかないかもしれません。
それにしても原作のヘンリーフォンダはうまいですね。
日本にも導入をされた裁判員制度、
でもこのシステムとこの映画の陪審員制ではだいぶ違うみたいです。
ネットでは、この制度はアメリカにとって
民主主義の象徴のような存在だそうです。
そうなるためには、イギリスやアメリカでは
日本と違って長い歴史があるのでしょう。
(ロシアはどうなのかな?)
システムがよくわからないので
いろいろな疑問が沸いてきました。
評決が、陪審員の全会一致であるとすると、
長く審議しても、全会一致の評決が得られない時はどうするのか?
陪審員を変えて再度裁判をやる直すのか、
それとも陪審員の評決結果を参考にして、
判事が決めるのか?
(これらのことは、ネットで調べてわかりました(*^_^*))
全員一致の評決が原則なので
そうなるまで、どんなに時間をかけてでも審議を行います。
この映画では、裁判の流れを見て、
みんな有罪に思っていると、誰でも思っていたので、
すぐに終わると思っていましたが、
たった一人の反対で思わぬ方向に審議が動いていきます。
最初は、死刑を簡単に決めてしまうほど、
人の命は軽いものではないから、
結果は別にして、「もう少し話し合おう」という言葉からでした。
しかし、審議をして犯行を再現していくと、
しだいに疑問が増し、だんだん無罪と考える人が増え、
最後には別に犯人がいるのだと確信ができ、全員一致で無罪となります。
「疑わしきは罰せず」
ほんの少しの疑問でもあれば、罰することはできない、
それが冤罪を生むことになる。
(きっとそのために、全員一致の評決が必要であるのでしょう。)
警察、検察、弁護士以外の、
偏見やしがらみのない陪審員の
冷静な目が、疑問をはらして行きます。
犯行を再現して、無罪を立証していく
ミステリー映画としても面白いですが、
それだけでなく、一人一人の陪審員の人生が語られていき、
その内容がすばらしくて、映画の深みを増していきます。
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<ネット>より、アメリカの陪審制について(私の疑問の解答)
陪審員の数は、伝統的には12人で、
評決は全員一致であることが必要ですが、
現在では、法域によって特別多数決
(11対1や10対2など)を認めるところもあります。
そして、陪審員の意見が分かれ、
全員一致や特別多数決の条件を満たさない場合は
評決不能 (hung jury) となり、
新たな陪審の選任から裁判をすべてやり直す必要がある法域が多いそうです。
なお、評決が出た場合裁判官は、その評決に従って判決を下します。
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