母べえ h21.11.9 DVD
朔的には☆は4つ(80点)です。
上映している時から、見たいと思っていましたが、
その内容が重く、暗い印象が強かったので、
躊躇している間に見逃してしまいました(*^_^*)。
こういう映画は心の調子が良い時でないと見られないもので、
ようやく見られる時が来たわけです(*^_^*)。
ほんとうに見て良かった。
すばらしい感動、あれ程泣いたのは久しぶりです。
サユリストの私としては、
この映画は吉永小百合でなければと思える映画でしたが、
それ以上に、浅野忠信の演技(純朴さ)が良かったです(^_^)v。
日中戦争が泥沼化しつつある、昭和15年2月。
治安維持法違反の容疑で夫の滋が逮捕され投獄されます。
滋はドイツ文学者で戦争に批判的であったためです。
この家族はお互いを親しみを込めて、
<父べい、母べい、初べい、照べい>と呼び合う仲の良い家族でしたが、
これを境に苦難の道が……。
夫の釈放を待ちながら、貧乏と差別の中、
二人の子供を愛情一杯で育てていく妻の佳代(吉永小百合)、
それを助ける、夫の教え子である山崎(浅野忠信)……。
監督は山田洋次です。
滋の強さはどこから来るのでしょうか?
自分の信念を曲げずに、例え非国民と呼ばれても、
妥協をすることも、妥協をしたふりをすることもしません。
その場だけでも繕えば、釈放されて家族と暮らすことができる。
そうすれば好きな本も読めるし、
自分の仕事をしていくこともできるのに、それをしません。
自分の信念は家族のためにでも絶対に曲げません。
そんな夫を尊敬し支えていく妻、その気持ちを考えると泣けてきます。
それから、山崎の佳代を思う気持ちも辛いものです。
夫を尊敬する佳代であることを知っているので、
好きだとは口に出せない、そのせつない思いがさらに涙を誘います。
山崎と佳代は大人の恋、
お互いの気持ちを知っていても知らぬふり、
山崎の気持ちが強く伝わってきても、夫を裏切ることをしない佳代、
この夫婦は揃って強い信念の持ち主である。
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