レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで h21.9.28 DVD
☆は3つ半でお薦めです。
夫婦とは、人生とは、幸せとは……。
そんないろいろなことを考えさせてくれました。
1950年代のアメリカ、大都市の郊外に住むウィラー夫妻、
夫フランク(L・ディカプリオ)は、そこから長い時間をかけて
仕事場まで通勤をしています。
仕事はコンピューターを扱う、大会社の営業マン、
でもその仕事にはうんざり、でも家族のために仕方なしにやっていると
妻にも友人にも、ことあるごとに言っています。
でもそれは本当の気持ちなのかな?
彼は現実的で、昇進し給料を2倍にすると言われると、
その仕事に未練がでてきます。
(まあ、普通はそうですよね(>_<))
口がうまく、見栄えも良いので、女性にもて
適当に浮気をして、仕事も要領よくこなしています。
現実を変える勇気はなく、
彼は気づいていないが、自分の言う事を聞く、
素直で綺麗な妻と子、
それと郊外の一軒家に済むことが夢でした。
それに対して妻のエイプリル(K・ウィンスレット)は、
結婚する前に女優に成りたいという夢を持っていました。
でもフランクとの間に、子供ができたことからあきらめ、
結婚して郊外に住んでいます。
彼女にとって郊外の生活は変化と刺激のない、
牢獄のようなものでした。
一日中家にいて、このままでは息が詰まり、死んでしまう、
自分らしく生きるにはどうしたらよいかと、日々考えています。
それが原因で夫婦げんかが絶えません。
そのストレスが頂点に達した時、
彼女は突然一家で「パリに移り住む事」を思いつき、
夫を説得し実行します。
仕事がなくなるという夫に対して、
自分が働くから、あなたは自由にして
かつて実現できなかった夢を叶えれば良いと諭します。
でも、このことは彼女のためであり、
今のこの生活を変えなければ、夢を叶えることができず、
最後のチャンスを逃してしまうと思いこんでいます。
でも、妻がそこまで決意しているという、
その状況が理解できない夫、
そして、今の生活の延長では幸せを見つけられない妻。
この二人の価値観のギャップが悲劇ですね。
理想、夢見る女、
普通は男が夢を追い、女が現実的なのにこの夫婦は反対です。
エイプリルにとって、私達夫婦は「特別な存在」であるということ、
それを信じ、それを確認することが人生だと考えています。
でも、今の生活では、それからほど遠いものとなってしまいました。
フランクと同じく現実的な私としては、
エイプリルの考え方は無謀であり、
非現実的であると思います。
なぜなら仕事のあてもなく行くことは、
生活の基盤を失うもので、リスクがあまりにも多きことです。
結局「パリ行き」は夫の昇進と、妻の妊娠によって
だめになってしまいますが、それから後、
彼女は壊れていきます。
彼にとって宝物は妻であることが、それを失ってわかります。
それにしても、あの衝撃のラストシーン…………。的
なぜ彼女は死を選んだのか?それも子供を堕して……。
夫への復讐、腹いせとしか思えません。
本当に思い詰めた女は怖いです。
彼女にやり直すという選択肢はなかったのか?
そんな柔軟性が欲しかった。
このウィラー夫妻は、完璧な夫婦、理想的な夫婦と思われていました。
外から見ると何の問題もないように見える夫婦でも、
大きな悩み、不幸の種を持っているものです。
人はなんのために生きるのか?
好きな事、好きな仕事、やりたい事ってなに?
現実とのバランス、妥協はすべきか?すべきではないのか?
我慢する事、あきらめること
身の丈を知り、それで生きる事は罪なのか?
ディカプリオとウィンスレットの二人は
とにかくうまい、二人の白熱した議論には引き寄せられます。
|