綴り字のシーズン DVD h21.8.30
朔的には☆3つ半で、お薦めです。
ミステリーであり、深く考えさせられる所もありの良い作品でした。
綴り字コンテストがこの映画の表面的なメインですが、
それは、出題された難しい言葉のアルファベットを
間違わずに言うコンテストのことで、
日本なら差詰め漢字能力コンテストみたいなものですね(*^_^*)。
完璧な夫や父親は、必ずしも良い夫、良い父親とは言えません。
「過ぎたるは及ばざるが如し」を実証してくれた映画です(>_<)。
大学教授で宗教学が専攻のソール(リチャード・ギア)は、
共稼ぎの妻のために料理を作るし、
子供の面倒(一緒に楽器を演奏したり勉強を教える)も見るし、
おまけにやさしくてハンサムと、
絵に描いたような理想の父親であり、夫でした。
でもそこに大きな問題があり、家族が崩壊をして行きます。
その原因はソールが暴君のように自分の考えを押しつけ、
それに家族を従わせて行ったからです。
(妻の宗教をカソリックからユダヤ教に改宗させるなど……)
その崩壊の過程が、小学6年生の妹の綴り字コンテストと平行して
進んで行きます。
小学6年生の妹は、超能力があり、
どんなに難しく、初めて聞く文字でも、
目をつむると神の力によって、アルファベットが浮かんできます。
でも、賢い妹は家族の崩壊を予感して、
綴り方コンテストの全国大会でわざと負けます。
それは、私も父の思うようにはならないぞとの意思表示でした。
妻は、完璧な夫に愛されようと、
自分を抑え、夫の理想の妻となるように自分を犠牲にしていきます。
また優秀で従順であると思っていた息子も、
父の宗教ではなく、自分の宗教(ヒンズー教)を見つけ
自立しようとしますが、父は断固それを阻みます。
私は振り返って見ると、良き夫でも良き父でもありませんでした。
そうなるための努力もせずに、自分が生きることに精一杯でした。
というと格好は良いのですが、嫌なことを避けて
ほとんど特別なことは、何もしなかったというのが現実です。
まあ、今となっては、自分考え方や生き方を
家族に押しつけることはしなかったのが、
この映画を見て、唯一良かったことだと思いました(>_<)。
自分が子供だった頃のことを考えても、
納得いかないことで、
親や先生の言うとおりに従うのは
嫌だったし、難しいことだけど、
自分の考えで生きて行きたいと思っていました。
自分の考え方や生き方を押しつけるのは、
この映画のように、本人は気づかずに、
どちらかというと、良いことだと思ってやっている所に、
大きな罪がある気がします。
そして、やらない以上に、やりすぎることの怖さを感じました(^_^;)。
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