新しい人生のはじめかた

映画の目次へ 

 

新しい人生のはじめかた h22.2.20 ミリオン座

 朔的には☆は4つ(80点)です。
上質な私達世代の恋愛映画で、
年齢を重ねても恋はできる、
そんなことを教えてくれた映画でした。
もう年だからとあきらめないで、
恋のチャンスが訪れたら心を開くことが大切です(*^_^*)。

 ハーヴェイ(ダスティン・ホフマン)は60才前後でしょうか?
CM音楽の作曲家をしています。
昔はヒット曲を出していましたが、
新しい時代の波にうまく乗れず、過去の作曲家として
若い作曲家にその地位をとって変わられようとしています。

 妻とは離婚、なぜ離婚したのか?
映画の中では妻の言葉として<面白みがなくなった>とありましたが、
きっと仕事ばかりの人生で、家庭(妻)を顧みなかったからでしょう(^_^;)。

 ロンドンで妻は再婚し娘と住んでいますが、
娘はそこで恋をして結婚をします。
その結婚式の招待状が彼の元に送られてきて、
一人娘の結婚式のため、単身ニューヨークから敵地に乗り込んで行きます(>_<)。
そして予想通り、結婚式に行った彼にはどこにも居場所がありません。
その孤独感と寂しさは想像を絶するもので、
それを彼は背中で見事に演じていました。
でも、愛する娘のためという一心でその場にとどまっています。

 ケイト(エマ・トンプソン)は、独身で50代の女性でしょうか?
認知症ぎみの母親の面倒を見ています。
彼女の父親は母を捨てて、秘書とギリシャへ逃げてしまいました。
母とは近所のアパートで別居はしていますが、
ささいな用事でもすぐに携帯電話で呼び出されます。
過去に中絶の経験があり、男・恋愛・出会いそして人生に臆病になっています。

 ケイトはロンドンの空港で、乗客からアンケートをとる仕事をしています。
読書が好きで、いつも本を読んでいますが、
それはまるで自分の逃げ道のようです(^_^;)。
将来小説を書こうとそのための講座に通っています。

 職場の女友達から男友達を紹介され見合いをしますが、
肝心な時に母親からの電話があったり、自分の年齢など考えると、
そこは自分の居場所でないことを思い知ります。

 そんな自分の居場所がなくて、探している二人が、
ロンドンで偶然出会い、恋をします(*^_^*)。

 ハーヴェイの積極さが、ケイトの心を少しづつとかして行きます。
ハーヴェイにとってラストチャンスとなる恋、
その恋のために仕事を捨てて、ロンドンでケイトと暮らす決意をしますが、
思わぬアクシデントで約束を果たすことができません。
まあ、よくあるパターンですが……(*^_^*)。
しかしそのアクシデントに負けないハーヴェイの積極さが
ケイトの気持ちをぐっと掴みます。

 二人の名演が光ります。

 <ラストシーン>
でこぼこコンビの二人、
ケイトはハイヒールを脱いで裸足になり、
初めて、ほぼ同じくらいの背の高さになった二人……。
これですっきりしたというケイト。
見栄を捨て、ありのままの姿になることができた喜びが溢れた
素敵なシーンです(*^_^*)。
 

 

上に戻る