ディア・ドクター h22.3.24 DVD
朔的には☆は3つ半(70点)です。
♪どうせわたしを騙すなら、
だまし続けて欲しかった♪
今はなつかし、バーブ佐竹の女心の唄に
そんな歌詞がありました。
この歌のように<知らないことの幸せ>ということは現実のことで、
なんでもかんでも真実を知ることが本当の幸せになるとは
私は思っていません。
この映画は本当の医者とは何か?
それは免許のある医者のことか?
それでは免許があれば医者なのか?それを問うたものです。
人の良い人ほど、良かれと思って嘘をつき、
次はそれを守るためにもう一つ嘘をつき、
気がつけばそれから抜けられなっています。
普通の人間は、嘘をつくことにストレスを感じ、
一度ついてしまったその嘘を、守り通して行くことは
辛くて苦しいものです。
本当のことを話して解放されることは、
その人にとっては楽になることかもしれませんが、
それによって愛する人を傷つけることもあります。
そのことを知って慎重に行動することが必要だと私は考えるので、
「真実が正しく、嘘が悪い」と言い切ることはできません。
僻地の医者不足や無医村は現代の大きな問題です。
その不安はそこの住民にしか分からないことで、
この映画では、それが解消された住民が喜んでいる姿が印象的でした。
免許は持っていないけど、医術に長けて、
患者を治すことができる、さらに良心的な人と
その反対の人ではどちらが僻地の医者としてふさわしいのでしょうか?
きっと誰でも同じ答になると思います。
もちろん無免許の医師が許されないことは十分わかっていますが……(>_<)。
主人公の伊野(笑福亭鶴瓶)の父は今は引退しましたが、
優秀な開業医でした。
しかし彼には医師の免許がない不肖の息子、
ペースメーカーの営業で、10年間大学病院に出入りし、
医学を体験で学び、
ひょうなことから、この無医村の診療所の医師として勤めます。
八千草薫はいくつになるのでしょうか?
美人は年をとっても美しく上品に老います(*^_^*)。
診療所の余貴美子は、度胸ある看護師役を見事に演じ実にうまい。
主演の笑福亭鶴瓶は自然のまま、地のままの演技で、
人柄から温かさが滲んでいます。
そして監督は『ゆれる』の西川美和監督です。
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