ハート・ロッカー

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ハート・ロッカー h22.3.28 東浦イオン 東宝

 朔的には☆は3つ半(70点)です。
今回のアカデミー賞で作品賞を受賞したということで、
ぜひ見たいと思いましたが、なかなかやっている映画館がなかったので、
探して見に行って来ました。

 アバターとのアカデミー賞対決
(元夫婦がそれぞれの作品の監督であったため)が話題を呼びました。
どちらが良い作品であったか?
これは人によって映画の評価の観点が違うので、難しい所ですが……。
私的にはアバターの方に軍配を上げます(*^_^*)。

 と言っても、もちろん悪い作品ではなくて、
これはあくまでもアバターとの比較の問題です。
この結果からアカデミー賞はアメリカの映画の賞であることを、
再確認させられました(^_^;)。

 今のアメリカの最大の関心事は、
イラクやアフガンの問題です。
それを真正面から捉えた所にこの映画の勝因があった気がします。

 この映画の冒頭に「戦争は麻薬である。」とのメッセージがありました。
戦争状態にある兵士の気は高ぶり、ハイテンションの状態が続くことで、
神経が麻痺し恍惚感を感じることを言っているのでしょう。
そして戦場での自分は神になり、人を殺しても許される存在だと
錯覚してしまいます。

 2004年のイラクの首都バクダットでのこと。
3人一組で爆弾処理をするチームに、
新しくジェームス二等軍曹がリーダーとして配属されます。
この危険と隣合わせの仕事にはチームワークが第1なのに
リーダーである彼は、個人プレーとパフォーマンスで乱します。
その行動に動揺するチームメンバーの確執と、
それを乗り越えて行く友情を描きます。

 ジェームスは戦争中毒者で、国に妻と幼子がいるのに、
現実の世界では生きる目的と意味を失い、
それを求めるために、戦場に戻っていきます。

 ドキュメンタリーを見ているような臨場感があり、
爆弾処理の場面では手に汗を握ります。
 戦場での米兵のたくましさ、強さを感じると同時に
そんな彼らでも自分の精神を平静に保つために
苦しんでいる姿が印象的です。
そして、イラン人の米兵を見る眼の冷たさ、
そこから、他国で戦うことの難しさを感じました。
 

 

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