告白

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告白 h22.6.19 半田コロナ

 朔的には☆は3つ半(70点)です。

 原作を読んだ時、あまりの復讐劇に吐き気がし、
気持ちが悪くなりました。
 本を読みながら、たとえ最愛の一人娘が殺されたとしても、
この非道さは、どこから来るのだろうかと考えこんでしまいました(>_<)。

 70点をつけたのは、
原作とは違った、映画ならではの面白さを引き出していたと思ったからです。
原作にはないラストをアレンジしたり、
映像の表現力や演出のうまさが輝いていたためです。

 女教師・森口悠子(松たか子)は、
わけあってシングルマザーとなりますが、
三歳になる一人娘を支えに必死で生きています。

 その一人娘が自分の学校のプールで
水死するという事件がおこります。
 このことは事故だと思われていましたが、
実は自分の担任しているクラスの、二人の生徒によって殺されたと、
彼女は一学期終業式の日に、クラス全員の前で告白します。
そして、自分はこの学校を辞めると……。

 この告白を受けて、この事件に関わった人間の
それぞれの立場からの告白で物語は進んでいきます。
そして、話は予想もつかない方向へと……。

 母親と子供との関係、これがこの映画の鍵でした。
 自分の子供を、一緒になれない夫との絆であると思っている母親。
子供を盲目的に信じ、溺愛する母親。
自分の夢、才能のために子供を捨てる母親。
母親に誉められたいと強く願い、
母に誉められるためなら何でもしようと考える子供。

 エイズに対する偏見や無知、
そして少年法の問題も大きなテーマでした。

 高校の教室の雰囲気はよく出ていたと思います。
相当極端に誇張はされていますが、
雰囲気としてあんな感じでしょう(>_<)。

 一人一人が何を考えているかわからない、不思議な生徒達。
生徒は子供とは言え、それぞれ独立した個人であり、
それぞれに思いがあります。

 青春は悩み多き時代、
そんなすさんだ心の生徒達に、
日々の積み重ねられた中に、未来があることを知ってほしい、
そして何が大事で何が大事でないかを……。

 事実は小説より奇なりと言いますが、
授業中の女子高生が同級生に教室で刺されるような時代、
それを考えると、この小説のようなことが起こっても
不思議ではないかもしれません。

 

 

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