マイレージ、マイライフ

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マイレージ、マイライフ  h22.3.20 名古屋パルコ8F

 朔的には☆は3つ半(70点)です。

 年間322日も出張し、アメリカの各地に飛んで
リストラ宣告を行っているライアン(ジョージ・クルーニー)は、
「バックパックに入らない物は背負わない」がモットーの
独身主義者です。
一年に60万マイル、マイレージ1000万マイルが目標で、
その達成が目の前にある時、その目標を阻む者が現れます。
大学院を出たばかりの新人ナタリーが入社し、
ネット上で解雇通告を行うという合理化案を提出し、
今までの出張を無くす方針を会社が打ち出したからです。
出張命のライアンは果たしてどうなるのか?

 人との関わりを嫌がり、一匹狼として生きるライアン、
でも、部下の女性の教育係となり、
結婚を考える程の女性が現れたり、妹の結婚式に出ることで、
少しずつ考え方が変わっていきます。
その変わっていく姿を見事に
ジョージクルーニーが演じました。
本年度アカデミー賞の主演男優賞に
この作品でノミネートされただけのことはあります。
彼は2枚目だけでなく、深い味わいのある俳優になってきました。
この作品でも、クールでありながら、その中にある温かいものを感じました。

 私は今年度で定年を迎えますが、人生の中でリストラを受けずに
終われる幸せをつくづく感じました。
リストラが日常化する今日、
管理職や人事部員は同じ会社で働く社員に、
首を宣告することは辛くてしんどいことである。
(もちろん、首になる方はもっと辛くて大変なことだが……。)
だからこの映画のようなリストラ宣告の代行会社が繁盛するのでしょう。

 リストラ宣告をスムーズに行うには、絶望の淵に立っている人に対して、
どのように相手の心を和らげ、次の希望を持たせるか?それが鍵となります。
リストラ後の人生に夢を感じさせ、ボートでその近くまでつれて行くのが
リストラ宣告人の役目、そしてその後の夢は自分で泳いでつかまえてもらいます。

 誰だって面と向かってリストラを宣告するのは嫌なもの
だから、それを代わりに引き受ける仕事が成り立つわけで、
今の時代を反映したした仕事
そして、アメリカらしい仕事だと思いました(*^_^*)。
 

 

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