オーケストラ

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オーケストラ! h22.6.5 名演小劇場

 朔的には☆は3つ半(70点)です。
題名からして、この映画ではクラシック音楽が一杯使われていて、
クラシックの好きな人にはそれだけで楽しめると思います。
特に最後に演奏される、
チャイコフスキーのバイオリン協奏曲は感動ものです(*^_^*)。

 私はクラシックだけの演奏会を聞きに行ったことはありません。
機会がないことを言い訳にしていますが、
クラシックだけの演奏会ということに抵抗があるのかもしれません(>_<)。

 クラシック音楽に限らず、
どの音楽にもドラマとかストーリーがあるものだと思います。
ただ、曲を聴いてイマジネーションを働かせて、
物語を思い描ける人は良いでしょうが、
残念ながら私は全くできません(>_<)。

 その点この映画のように、音楽だけでなくそこにドラマや、
人生を映像で見せてくれると、イメージを膨らませやすく、
それを音楽にダブらせることで、感動でき自然と涙が出てきました。

 今のロシアがソビエト連邦であった頃の話しです。
ブレジネフ政権時は、米ソの冷戦真っ只中で、
共産圏では鉄のカーテンが引かれ、
西側への情報が全くなかったので
あの映画のような弾圧も、たくさんあったことでしょう。

 今から30年前、ボリショイ交響楽団の天才指揮者アンドレは、
楽団からユダヤ人を追い出せとの国からの命令に背いて
ユダヤ人を守ったことで、楽団は取りつぶされてしまいます。
そして、彼は指揮者を首になり、
今はボリショイ劇場の掃除人となって働いています。

 アンドレの夢は、いつかもう一度、かつての楽団を率いて、
チャイコフスキーのバイオリン協奏曲を演奏することでした。
それを強く願うのには深い理由がありました。

 そんな時偶然手に入れたFAXから、
楽団を率いてパリで公演をするチャンスが訪れます。

 しかし、昔のメンバーは解散し、
生活のために音楽を捨て、日々の生活に明け暮れています。
アンドレはかつての仲間を集め、
パリでの演奏会を成功させることができるでしょうか?

 随所にフランス映画らしきウィットが効いています。
特に、ロシア人に対する見方がものすごく面白く、
日本人を外人がどう見ているのか?と同じように、
日本人から見ると、滑稽で間違いが多いのですが、
外から見た時の、全体的なイメージとしては
結構当たっているのでしょう(^_^;)。

 約束を守らない。時間にだらしがない。
自分勝手。大事な演奏会でも練習なしのぶっつけ本番でも平気……等々。
そして極めつけは、
楽団員がパリに来たかった本当の理由は、金儲けがしたいためであったこと。
そのため、楽団員はパリに着いた日から、
演奏会の日まで練習をするのではなく、
儲け話はないかと探し回っています(^_^;)。
これが、フランス人から見た
スラブ民族(ロシア人)のイメージなんでしょう(*^_^*)。

 ドタバタのフランス喜劇。
でも、ラストはしっかりと決まっていました。
まあ、それまでは演奏会のための序章だったわけで、
その分最後の演奏会のシーンは感動的で、
自然に涙が沸いてきました。
 

 

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