ゲゲゲの女房 h22.12.18 ミリオン座
朔的には☆は3つ(60点)です。
NHKの朝の連続テレビ小説で話題だった「ゲゲゲの女房」、
今年の流行語大賞も取りました。
NHKの方は見ることはできなかったのですが、
どんな内容かと興味があったので、映画を見てきました(*^_^*)。
絵に描いたような売れない作家の貧乏物語。
苦労はするがそれが最後には必ず報われるという、
サクセスストーリーが日本人は好きです(*^_^*)。
まして水木しげるといえば、
「ゲゲゲの鬼太郎」で大ブレイクするわけですから、
この苦労はその内報われると、
安心して見ていたら、予想もしない所で終わってびっくりしました。
もっと成功し、華やかな時代まで描かれると思っていたのに、
これから成功していくだろうという、予感を与えて終わってしまいました。
あの苦労に見合った成功を見て、
明るい気分で映画館を出たかっただけに、ちょっと残念でした(*^_^*)。
漫画家の水木しげる(1922年〜)は、
<悪魔君><ゲゲゲの鬼太郎>で有名ですが、
その妻布枝の、自叙伝小説を映画化したのがこの作品です。
1950年代の日本が舞台です。
(ちなみに私が生まれたのが1950年です)
島根県出雲の酒屋の娘として生まれた布枝は
家の都合もあって婚期を逃し、いつしか29歳になっていました。
それまでは見合いをしても、いつも首を立てに振らない父でしたが、
この見合いではあっさりと首を振り、見合いから5日後には、
売れない漫画家水木しげると結婚をします。
見合いから5日で結婚と聞くと驚きますが、
布枝は私の父や母と同じ世代で、その当時は見合い結婚が当たり前であり、
中には結婚式まで会ったことがないという夫婦もいたと聞きました。
布枝は結婚して東京の調布に出てきますが、
見合いの時に聞いた話とは全く違って、貧乏のどん底のような生活でした。
その赤貧洗うが如しの暮らしぶりは、
年間18万の収入では、人間は食っていけない、
きっと脱税をしているに違いないと、税務署員が家まで調べに来るほどでした。
その場でしげるは、質札の山を見せて追い返します。
仕事一途で、すべてを優先して仕事に打ちこんでいる
水木しげる(宮藤官九郎)。
でも彼の書いた漫画は怪奇ものばかりで、
暗くて今の世相に合わず全く売れません。
作風を変えると売れると言われても、
自分は怪奇もので行くといって主張を曲げません。
妻の布枝(吹石一恵)もそんな夫を慕い、
必ず漫画が売れると信じて、必死でついて行きます。
見合いの時とは、すべて話が違う詐欺みたいな結婚でしたが、
それでも布枝が我慢できたのは、しげるが優しい夫であったからです。
しげるは特別にやさしい言葉を布枝にかけるわけではありませんが、
ことあるごとに、妻に対して実のこもったやさしさで接しました。
時代に合わせるのではなく、時代が自分に追いつくまで、
じっと我慢して努力を続けて、自分の時代が来るのを待つ。
生活のためと妥協をせずに自分の得意なものだけを書く。
貧乏でも決して自分を売らないという、
この頑固さが世に出る人には必要なのでしょう。
でも、家族は辛いですね(^_^;)。
いつか良い日がくると確実にわかっていればいいですが、
良い目を見ないで終わっていく人の方がはるかに多いですから……。
ほとんど漫画を見ない私ですが、
「ゲゲゲの鬼太郎」だけは大好きでした。
私は鬼太郎ファンで、実写版の映画も見ました。
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