瞳の奥の秘密 h22.8.21 ミリオン座
朔的には☆は3つ半(75点)で、お薦めですが、
相当に重い映画ですので、
覚悟して見てください(*^_^*)。
今でもあの惨殺された若い女性の姿が
脳裏を離れません。
若くてきれいな女性だっただけに
そのギャップが激しく、ショッキングです。
タイトルの「瞳の奥の秘密」が
この映画の内容を如実に物語っています。
(それが何かは見てのお楽しみです(*^_^*))
「目は口ほどにものを言う」ということわざがありますが、
まさしくその通りです(*^_^*)。
人を思う気持ちはどんなに隠そうとしても
目の動き、瞳に表れます。
言葉よりも、それはその人の真実の気持ちを示すものです。
南米のアルゼンチン、ほとんど知らないこの国は、
つい最近まで軍政が敷かれ、市民生活が抑圧されていました。
この映画は、このことを抜きにしては語れない作品です。
瞳の奥に秘密を持った3人の登場人物。
それぞれに立場も状況も違いますが、
人を思う気持ちに変わりありません。
その善悪は別にして‥‥(>_<)。
ベンハミンは刑事裁判所の高卒の職員
(アルゼンチンの司法・警察制度がどうなっているか不明ですが、
刑事裁判所の職員が刑事とは別に捜査していました。)
熱血漢で、不正が許せない性格の持ち主です。
ある日美人のエリート女性が彼の上司となります。
仕事を共にする中で、
彼女を思う気持ちは溢れるばかりですが、
自分の身分を考えて(学歴の違い等)諦めて
自分の気持ちを抑えています。
でも彼の瞳は如実に物語っていました。
彼女が結婚する時、チャンスがあったのに、
今ひとつの勇気がなくて、
それを止めることができなかったことが、
一生の後悔となっています。
定年退職をしたベンハミンは、
25年前の事件が忘れられず、その小説を書き始めます。
それを思い出すために刑事裁判所を訪れ、
今は判事補となっている彼女と再会します。
二人の気持ちがその瞳に如実に表れています。
25年前の殺人事件とは、
新婚の銀強員の妻が幼なじみに陵辱され惨殺された事件です。
その後の、銀行員の妻を思う気持ちは異常に見えるが、
妻を心から愛し、大切に思っている証拠であり、
まあ、あれ程可愛ければ仕方がないとも思います。
犯人が捕まり、終身刑になることが
彼の唯一の生きる支えとなり、
その情熱は彼の瞳の中に燃えています。
(アルゼンチンは死刑はない)
死刑ではだめで、終身刑にして
ずっと苦しむべきであると思っています。
その執念のすごさ‥‥。
困難を極めた事件も、ベンハミンの必死な捜査で
やっとのことで犯人を逮捕することができます。
その犯人は、彼女の幼なじみの精神異常者でした。
一度は逮捕され、終身刑が確定しますが、
マフィアの捜査に協力するという司法取引で釈放されます。
それはかつてベンハミンが弾劾した刑事の復讐でした。
まさに、人の恨みは怖いものです(*^_^*)。
法は裁いてくれない。だから自分で裁く。
この気持ちはものすごくわかりますが‥‥(^_^;)。
予想を全くしない展開となり、ラストは怖い。
でも、内心良かった、そうあって欲しいと願っていた事でもある。
犯人の「何か話かけてくれるように頼んでくれ」という言葉が強く残っています。
2009年8月に本国アルゼンチンで公開され、
歴史的な大ヒットを記録したという本作。
アルゼンチン・アカデミー賞では13部門で受賞を果たすとともに、
第82回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した話題作だ。
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